UNISON SQUARE GARDENが追求する、3ピースバンドの可能性ーー最新曲から考察

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参考:2017年11月27日付の週間CDシングルランキング(ORICON STYLE)

 2017年11月27日付の週間CDシングルランキングの6位は、UNISON SQUARE GARDENの『fake town baby』。『fake town baby』は11月15日にリリースされたシングルですが、UNISON SQUARE GARDENは1週間前の11月8日にもシングル『Invisible Sensation』をリリースしており、こちらは2017年11月20日付の週間CDシングルランキングで5位を記録。2週連続のベスト10入りとなりました。

 現在、24公演に及ぶ全国ツアー『UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2017-2018『One roll, One romance』』を行っている3ピースバンドのUNISON SQUARE GARDEN。11月15日、16日にはZepp Tokyoでライブを行い、さらに2018年1月28日には幕張メッセ国際展示場でのツアーファイナルをひかえているバンドの勢いを見せつける結果となりました。

 その「fake town baby」を聴いて驚いたのは、UNISON SQUARE GARDENが洋楽志向が薄いバンドだとは思えないようなサウンドだったからです。最初に歌われているのは英語詞で、しかも冒頭の少し歪んだギターにはオルタナティブな感触があります。

 そして、<情に伏すなんて到底無駄/束の間の安堵は当面邪魔>という歌詞によって、いつの間にか英語詞から日本語詞になっているのです。響きだけ聴いていると、どこから日本語詞になっているのか判然としない仕掛けが施されています。

 また、1曲の中におけるリズムの変化が大きいのも特徴です。サビの疾走感の後にしっかりとキャッチーなDメロも用意されているのですが、いわゆる「Aメロ、Bメロ、サビ、Dメロ」といったJ-POPの構造に収まりきらない感覚があるのも事実です。その要因としては、斎藤宏介のボーカルの個性、田淵智也(Ba)のソングライティングなどもありますが、最大の要因は斎藤宏介、田淵智也、鈴木貴雄(Dr)によるバンドアンサンブルの濃密さでしょう。約4分23秒と決して短くはない楽曲なのに、聴覚上は異様に短く感じられるのが「fake town baby」なのです。

 では、1週間前にリリースされた「Invisible Sensation」はどうでしょうか? 冒頭こそストレートなロックナンバーかと思わされましたが、すぐにバンドアンサンブルの自在さに再び驚かされることになります。

 田淵智也は、畑亜貴、田代智一、黒須克彦とともにプロデュースチーム・Q-MHzとしても活動中。バンドじゃないもん! の「キメマスター!」「青春カラダダダッシュ!」も手掛けてきました。ともに情報量の非常に多い楽曲です。そうした楽曲を念頭に置くと、UNISON SQUARE GARDENというのは、3ピースバンドという形態で大量の情報をいかに処理してみせるかという可能性を追求しているバンドでもあると感じさせられます。それをもっとも体感させるのが「fake town baby」なのです。(宗像明将)