セレッソ大阪の柿谷曜一朗【写真:Getty Images】

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2012年。デカモリシの大爆発、FW米倉恒貴の躍動

 42節のリーグ戦が終了し、プレーオフを残すのみとなったJ1昇格争い。11月27日の準決勝と12月4日の決勝を経て、残る1枠に滑り込むのはどのクラブになるだろうか。引き分けの場合は年間順位で上位につけたクラブが勝ち進むというレギュレーションで行われるこの大会では、これまで数多くのドラマが生まれてきた。今回は、これまでのプレーオフ準決勝で繰り広げられてきた激戦を振り返る。

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【京都サンガF.C.(3位) 0-4 大分トリニータ(6位)】

【得点者】
[大分]
森島康仁(17分、33分、61分、90分)

 3位・京都サンガF.C.と6位・大分トリニータの対戦は、思わぬ大差がつく結果となった。17分、森島康仁がFKを直接決める。33分には左クロスを難しい態勢で合わせてネットを揺らすと、後半に入っても森島の躍動は終わらない。PKで加点し、試合終了間際にもネットを揺らして4-0と大勝。

 デカモリシの大フィーバーにより、大分が決勝戦へと駒を進めた。京都は2位の湘南ベルマーレと勝ち点1差の3位でプレーオフに回った形だが、“伏兵”に足をすくわれることになった。

【横浜FC(4位) 0-4 千葉ユナイテッド千葉(5位)】

【得点者】
[千葉]
藤田祥史(35分、58分)
米倉恒貴(53分)
佐藤健太郎(88分)

 4位・横浜FCと5位・ジェフユナイテッド千葉はリーグ戦の勝ち点差が1だった。拮抗した成績を残した両者だが、この準決勝では千葉が圧倒することになった。

 35分、ディフェンスラインの裏に抜け出した藤田祥史がGKをかわして先制点を奪うと、53分にはフィードに抜けた米倉恒貴が落ち着いて決めて2-0。5分後には藤田がこの日2点目を挙げ、終了間際にCKから最後は佐藤健太郎がネットを揺らした。千葉が勝負強さを見せ、横浜FCを破った。

2013年、両ゲームともドロー。年間上位が勝ち抜け

【京都サンガF.C.(3位) 0-0 V・ファーレン長崎(6位)】

 4年ぶりのJ1昇格を目指した京都は前シーズンもプレーオフに進出したものの、大分に大敗し準決勝で涙を飲んでいる。一方のV・ファーレン長崎はJ2初年度で6位と躍進し、この舞台に臨んだ。

 後半、試合は長崎が猛攻を仕掛ける展開となった。しかし、京都はGKを中心とした堅い守備で対抗しゴールを割らせない。試合はスコアレスドローで終わり、年間3位の京都が決勝進出を果たした。

【徳島ヴォルティス(4位) 1-1 ジェフユナイテッド千葉(5位)】

【得点者】
[徳島]
ドウグラス(37分)
[千葉]
山口智(40分)

 クラブ史上初のJ1昇格を目指す徳島ヴォルティスが千葉と対戦したこの試合。37分にドウグラスがPKを沈め徳島が先制に成功すると、千葉も負けじと反撃。40分、山口智がヘディングでゴールを決め、千葉がすぐさま同点に追いつく。

 J1の舞台に早く戻りたいオリジナル10はシュート数で上回るも追加点は奪えず。試合は1-1のまま終了。年間順位で上回る徳島が千葉を退ける結果となった。

2014年、アディショナルタイムに生まれたドラマ

【ジュビロ磐田(4位) 1-2 モンテディオ山形(6位)】

【得点者】
[磐田]
山崎亮平(45+3分)
[山形]
ディエゴ(26分)
山岸範宏(90+2分)

 このシーズンは5位と躍進したギラヴァンツ北九州がJ1ラインセンスを保有しておらず、3チームによるトーナメントとなった。4位・ジュビロ磐田と6位・モンテディオ山形が激突し、歴史に残るゴールが生まれている。ディエゴのゴールで山形が先手を取ると、前半終盤に山崎亮平の得点で磐田が試合を振り出しに戻す。磐田はドローでも決勝進出だったが、ドラマは終わらない。

 日本サッカー史に永久に刻まれるであろう一発が生まれるからだ。後半アディショナルタイムの92分、GK山岸範宏がCKを頭で合わせると、ボールはネットに吸い込まれた。この奇跡のゴールが決勝点となり、山形が決勝に駒を進めたのだった。磐田の名波浩監督は後に、この失点について「世界中に恥を晒した」とこの敗戦を振り返っている。

2015年、年間勝ち点で他クラブを大きく上回っていた福岡

【アビスパ福岡(3位)1-0 V・ファーレン長崎(6位)】

【得点者】
[福岡]
ウェリントン(48分)

 この年のJ2は3強の力が際立ったシーズンだ。3位と4位で勝ち点15もの差があった。福岡は2位で自動昇格を果たした磐田と勝ち点82で並んだが、得失点差で3位となり、プレーオフに回ることとなった。

 九州勢同士の対戦は1-0で福岡が実力を示している。前半から相手ゴールへ迫る福岡が48分、ウェリントンのゴールで均衡を破る。守備ではチームを支え続けたGK中村航輔がファインセーブを見せるなどゴールを揺らさない。年間勝ち点で22上回る福岡が勝利した。

【セレッソ大阪(4位) 0-0 愛媛FC(5位)】

 昇格の有力候補の一角に挙げられていたセレッソ大阪だったが、レギュラーシーズンはまさかの4位。しかも、ただの4位ではない。3位・福岡に15ポイントもの差をつけられている。

 プレーオフ初戦の愛媛FC戦ではゴールを奪うことができなかった。年間勝ち点差2という拮抗した実力のチーム同士の対戦ということもあり、0-0で試合は終了。レギュレーションの恩恵を受ける形でC大阪が“J2史上最強の3位”福岡の待つ決勝に進んだ。

2016年、劇的勝利の岡山、ドローで決勝進出のC大阪

【松本山雅FC(3位) 1-2 ファジアーノ岡山(6位)】

【得点者】
[岡山]
押谷祐樹(27分)

赤嶺真吾(90分+2)

[松本]

パウリーニョ(74分)

 6位でのプレーオフ挑戦となったファジアーノ岡山が、リーグ終盤の不調を払拭するような粘りを見せつけた。27分に押谷祐樹のゴールで先制したものの、74分に追いつかれてしまう。

 引き分けで終わると松本が決勝進出となるが、クラブ史上初のJ1昇格を目指す岡山に勝利の女神が微笑む。1-1で迎えた後半アディショナルタイム、フィードを豊川雄太が落とすと、これに反応した赤嶺真吾が値千金の決勝ゴールをねじ込み、国内最高峰リーグへの切符に手をかけた。

【セレッソ大阪(4位) 1-1 京都サンガF.C.(5位)】

【得点者】
[C大阪]
柿谷曜一朗(13分)

[京都]

有田光希(90分)

 J1レベルの選手を多数揃えるセレッソ大阪だが、リーグ戦では自動昇格を逃したばかりか4位でのプレーオフ出場となった。だが、この準決勝ではエースの柿谷曜一朗がネットを揺らし、幸先よく先制に成功した。

 試合終盤に京都サンガF.C.の有田光希にゴールを奪われ引き分けに終わったものの、リーグ戦の順位が上のC大阪が決勝に駒を進めることとなった。

 豪華な陣容を誇るC大阪だが、不安の残るゲームをしてしまった。だがこの舞台で重要なのは結果のみ。ファイナルのカードはC大阪と岡山となった。

text by 編集部