復権狙うJ1経験4クラブが激突! 過去5年に見る昇格プレーオフ“準決勝”の傾向

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残り“1席”を懸けて名古屋と千葉、福岡と東京Vが準決勝で対戦

 来季J1昇格を果たす残りの“1席”を4クラブが争うJ1昇格プレーオフ。

 その第一陣となる準決勝の2試合、アビスパ福岡対東京ヴェルディ(13時キックオフ)、名古屋グランパス対ジェフユナイテッド千葉(16時キックオフ)が26日に開催される。決勝の舞台に駒を進めるのはどこか、過去5年間から見える“傾向と対策”は――。

 昇格プレーオフの「試合方式および勝敗の決定」には、以下のような一節がある。

「90分間(前後半各45分)の試合を行い、準決勝および決勝とも90分で引き分けの場合は、年間順位の優位性を確保するため、年間順位が上位のクラブを勝者とする」

 簡単に言えば「上位クラブならドローでもOK」ということだが、このレギュレーションが数々のドラマを生む大きな要因となってきた。現行の3〜6位クラブによって争われる昇格プレーオフは2012年から始まっているが、5年間の準決勝の結果をまとめると以下のようになる。☆マークは決勝進出チームだ。

<2012年準決勝>
京都(3位) 0-4 大分(6位)☆
横浜FC(4位) 0-4 千葉(5位)☆
※昇格は大分

<2013年準決勝>
☆京都(3位) 0-0 長崎(6位)
☆徳島(4位) 1-1 千葉(5位)
※昇格は徳島

<2014年準決勝>
磐田(4位) 1-2 モンテディオ山形(6位)
※5位ギラヴァンツ北九州がJ1ライセンスを保有せず3位千葉はシード。昇格は山形

<2015年準決勝>
☆福岡(3位) 1-0 長崎(6位)
☆C大阪(4位) 0-0 愛媛(5位)
※昇格は福岡

<2016年準決勝>
松本(3位) 1-2 岡山(6位)☆
☆C大阪(4位) 1-1 京都(5位)
※昇格はC大阪

手堅い傾向も名古屋と千葉は打ち合い必至!?

 開催初年度の12年以外、すべての試合が1点差ないしドロー決着に終わっている。やはり一発勝負の戦いとなるだけに、堅い展開にならざるを得ないようだ。

 この試合の中で、残酷なまでのインパクトを残したのは2試合ある。14年の準決勝、磐田対山形戦の後半アディショナルタイムに、GK山岸範宏(現・北九州)がCKからのヘディングシュートを叩き込んで逆転した。そして昨年も松本対岡山の後半アディショナルタイムに赤嶺真吾が決勝点をゲットし、ファイナル進出を果たした。この劇的勝利が、6位クラブによって成し遂げられたのも興味深い。

 上位チームにとって“ドローでOK”という時間帯が長くなればなるほど、1点を守りきるのか、試合を決定づける1点を奪いにいくかの選択が難しくなるのは間違いない。ただ、今回の3位対6位の構図は少々異なりそうだ。

 名古屋は今季から就任した風間八宏監督の哲学を表すかのように、J2最多となる85得点。シモビッチ(18得点)という計算できる選手がいるが、青木亮太(11得点)、田口泰士(9得点)、ガブリエル・シャビエル(7得点)と、どこからでも得点を奪える。そして玉田圭司(6得点)や佐藤寿人(5得点)という、百戦錬磨のストライカーがいるのも心強い。

 フアン・エスナイデル監督率いる千葉もリーグ3位の70得点をマークし、J2終盤戦で7連勝を達成して昇格プレーオフ出場圏内に滑り込み勢いに乗る。弟・寿人との初の“昇格プレーオフ双子対決”となる佐藤勇人が後半戦からレギュラーに復帰して以降、中盤でチームを引き締める役割を全うしている。名古屋がボール保持を高め、千葉が鋭いカウンターを繰り出す。この展開が続けば、昇格プレーオフ史に残る打ち合いになるかもしれない。

運に恵まれない“5位”で東京Vが初参戦

 準決勝および昇格クラブを見ていると、少々運に恵まれていないのが“5位枠”だ。14年に北九州が出場できなかったことを踏まえても、決勝に勝ち上がったのは12年の千葉の1回のみ。4位と6位がそれぞれ2回、3位が1回昇格を果たしているが、5位からの昇格チームはまだ生まれていないのだ。

 このジンクスの払拭に挑むのが、昇格プレーオフ初登場となる東京Vだ。クラブはロティーナ監督の下で、ラスト10試合を4連勝を含む6勝2分2敗で乗り切った。先週の徳島ヴォルティス戦は“勝たなければ昇格プレーオフ消滅”の直接対決で、2-1と勝利した自信は大きいだろう。ドウグラス・ヴィエイラ(18得点)とFWアラン・ピニェイロ(17得点)に来るだろう徹底マークを、どれだけ全体でフォローできるかが、勝利に向けた鍵となりそうだ。

 一方の福岡は、同じくラスト10試合を4勝5分1敗。10月28日に敵地で行われた東京V戦はスコアレスドローで乗り切っている。今年のU-20W杯で活躍したDF冨安健洋ら若手が台頭し、FWウェリントンの破壊力も十分。DF駒野友一、MF三門雄大、MF山瀬功治らベテランが巧みに試合を運べるかが、勝負の鍵を握りそうだ。

 今回の昇格プレーオフは4クラブともJ1所属経験があり、そのうち名古屋、東京V、千葉はタイトル獲得経験のある“オリジナル10”。復権を懸けた戦いとも表現できる、そんな夢と絶望の90分の開演はもうすぐだ――。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images