ACL準決勝の上海上港戦から好パフォーマンスを見せ続けている長澤。この数か月で大きく環境が変わった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[ACL決勝 第2戦]浦和 1-0 アル・ヒラル/11月26日/埼玉
 
 立ち上がりに鋭いプレッシングでボールを奪い、シュートを放つシーンを二度作った。0-0でも優勝が決まる状況の中、浦和に攻撃的な姿勢をもたらしたのは、背番号15の積極果敢なプレーだった。

 
「1戦目はチームとして少し守備的に入ったこともあり、僕のところでなかなか守備に行けなかったし、良さが出せなかった。今回は球際の寄せだったり、アグレッシブなところを出せば後ろの選手の守備を楽にできる。そういうところを意識した」
 
 その言葉通り、長澤和輝はこの第2戦で躍動感あふれるパフォーマンスを披露。圧倒的な運動量で自陣ゴール前での守備から最前線への飛び出しとピッチを幅広くカバーし、敵ボールホルダーへのタイトな寄せで次々とボールを奪ってはカウンターへとつなげていく。
 
「相手のミッドフィルダーの選手がとても強かった。パスを通そうと思っても、すぐにとられてカウンターにつなげられた」と脱帽気味に語った敵将ディアス監督の言葉は、ほとんど長澤に向けられていたはずだ。
 
 しかし、先の欧州遠征で初の日本代表入りを果たし、充実のシーズンを迎えたように見える長澤だが、本人にしてみれば、「充実した3か月くらい(笑)」のイメージだ。今季、期限付き移籍で千葉から浦和に復帰したものの、リーグ戦では開幕から半年間まったく出番がなく、ACLにおいても準々決勝まではグループステージで15分程度の途中出場が一度あったきり。
 
 風向きが変わったのは、7月31日の監督交代劇。ペトロヴィッチ前監督から堀孝史監督へバトンタッチされたなか、長澤の存在がクローズアップされだしたのは、9月27日の準決勝第1戦、上海上港戦でのハイパフォーマンスだった。この試合で攻守両面での高い貢献度を示した長澤は、その後のリーグ戦、ACLでスタメンに定着していくことになる。
 
「確かに苦しい時期はありましたけど、そこで折れないでやってきたのが良かったと思う。出られないことでくよくよしてもしょうがないし、チャンスが来た時に結果を出せないのが一番良くない。出た時はやってやろうと意識していた」
 
 日本代表でも確実にインパクトを残して、ACLの舞台へ突入。優勝を懸けたホームでの第2戦では、再びヴァイッド・ハリルホジッチ監督の前で、攻守にわたってインテンシティの高いプレーを見せ続けた。
 
 この半年の環境の激変ぶりについて問われた長澤は、「ストーリーとしては出来過ぎ」と苦笑いするが、「これで優勝できたことで、また次の道につながった」と、視線は早くも12月6日に開幕するクラブワールドカップ(CWC)を捉える。ワールドカップへ向けた国内組最終選考と目されるE-1選手権(旧東アジア選手権)への出場は同時期の開催のため、不可能となったが、「まずはクラブで何ができるか。それがあったから、この間も代表に入れた」と意に介さない。
 
 CWCで世界の強豪を相手にさらにアピールを続ければ、また次の道につながる別の扉が開くだろう。長澤の快進撃はまだまだ終わらない。