MF武藤雄樹と歓喜の抱擁をかわすMF長澤和輝

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[11.25 ACL決勝第2戦 浦和1-0アルヒラル 埼スタ]

 試合開始からエンジン全開だった。浦和レッズMF長澤和輝は前半1分、8分と立て続けに高い位置でボールを奪い、フィニッシュまで持ち込む。4-2-3-1のトップ下に入り、守備時にはFW興梠慎三と2トップ気味になってハイプレスをかけた。

 攻守に運動量を発揮し、球際でも強さを見せた。「細かいところで負けなければ勝利につながるということを意識していた」。ドイツ仕込みのデュエルだ。「海外でやってきた経験は間違いなく生かされている」。専修大卒業後、当時ブンデスリーガ2部のケルンに入団。2年間、ドイツでプレーし、もともと持っていたテクニックや攻撃センスに守備の意識、対人の強さが加わった。

「攻撃的な守備は、前の選手として必要なスキル。そこは自分の持ち味でもある」。後半30分ごろからは選手交代に伴い、MF柏木陽介とMFラファエル・シルバが前線で2トップを組み、長澤は中盤の底でMF青木拓矢とダブルボランチを組んだ。

「(柏木)陽介くんが前に入って起点をつくってくれた。(自分は)前で少し休んでいたので体力が残っていた。ハードに守備して、前につなげようと思った」というタフネスぶりで90分フル出場。「チーム全員で勝ち取った優勝。そこに少しでも携われた。サポーターと優勝の喜びを分かち合えて、こみ上げるものがあった」と喜びに浸った。

 監督交代が転機になった。今季のリーグ戦初出場は堀孝史監督就任後、8月27日の清水戦(2-1)。リーグ戦はここまでわずか6試合にしか出場していない。それでも9月27日、10月18日に行われたACL準決勝の上海上港戦でアウェー、ホームともにフル出場し、攻守に躍動。この活躍が日本代表のハリルホジッチ監督の目に留まり、今月の欧州遠征でA代表に初選出されると、14日のベルギー戦(1-0)で先発デビューを果たした。

 そしてこの日、ACL優勝を達成。「ストーリーとしては出来過ぎ」。本人も思わず苦笑いするほど、この3か月で自身をめぐる環境は大きく変わった。「優勝できたことで次の道につながった。さらにレベルの高い相手にチャレンジできることは選手として幸せ。そこに向けていい準備をして、さらに高みを目指したい」。長澤の“シンデレラストーリー”はどこまで続くのか。12月のクラブW杯では一つ勝てば欧州代表のレアル・マドリーと対戦する。

(取材・文 西山紘平)


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