中国の各ニュースサイトは22日ごろから、公務員や共産党員などについては思想や行動だけでなく「家庭倫理道徳」も問題にされるとする記事を掲載し始めた。資料写真。

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中国で、共産党によって公務員や共産党員などに対する厳しい評価が実施されていることが、改めて注目を集めている。新華社、中国中央電視台(中国中央テレビ)をはじめとする各メディアが22日ごろから、公式サイトや関係サイトで「公職スタッフはご注意を。このレッドラインを踏んではならない!」と題する記事を掲載し始めた。

記事は、河北省では管理職者776人が職務怠慢、能力や資質の欠如、民衆の不満足などを理由に「現職には不適切」として異動させられたとし、公務員や共産党員に対する厳格な監督管理が実施されていると紹介。記事は河北省の事例を切り口にしたが、共産党による全国を対象とする取り組みの解説と読み取れる。

記事は、「問題あり」と判断される事柄を、「党の政治規範に従わない」「理想や信念が動揺」「共産党の民主集中原則に違反」「組織概念が希薄」「職務怠慢や重大なミス」などと10項目に分けて列記。8番目の項目は「品行に問題。社会道徳、職業道徳、家庭倫理道徳に背き悪影響を発生させた」とした。公務だけでなく、家庭生活についてもチェックの対象になると改めて論じた。

中国では、軍人の配偶者が別の相手と性的関係を持てば「破壊軍婚罪」の適用対象となり刑事責任を追及されるが、民間人ならば犯罪行為には該当しない。しかしこれまでの「腐敗撲滅運動」では、処罰対象者について「不正常な男女関係」が党籍はく奪の理由に挙げられたことがしばしばある。党籍をはく奪されれば「人民の敵」とみなされ、その他の違法行為についてより厳しく法的責任を追及されることが確実だ。

新華社などが掲載した記事は、中国当局が公務員に対して「不倫もダメ」と、一般人よりもさらに厳しい基準で思想や行動をチェックすることを改めて示したことになる。

同記事は風刺漫画も多数添える一方で、文章部分は簡潔にまとめた。公務員ではない一般読者の目を引く工夫と理解できる。その意味で、習近平政権が党員や公職にある者に対して極めて厳格な姿勢で臨んでいることを改めて示し、一般民衆の政権への好感度を高める役割を担わされた宣伝記事ということになる。(翻訳・編集/如月隼人)