【J1昇格PO準決勝プレビュー】“火の国”で繰り広げられる青と緑の熱戦《福岡vs東京V》

写真拡大 (全7枚)

▽26日、2017J1昇格プレーオフ準決勝のアビスパ福岡vs東京ヴェルディが、えがお健康スタジアムで行われる。

◆“火の国”で決勝進出を懸けた熱戦

▽1年でのJ1復帰を目指して序盤戦から自動昇格圏内を長らく維持してきた福岡(勝ち点74)。しかし、シーズン終盤の急失速で自動昇格を逃したうえ、最終的に4位でシーズンを終えたチームは、終盤2試合での連続ドローという結果もあり、厳しいチーム状態でプレーオフに臨む。

▽対する東京V(勝ち点70)は浮き沈みの激しいシーズンを過ごした中、ホームで行われた第40節のレノファ山口戦でまさかの敗戦を喫し、昇格プレーオフ圏外に転落。しかし、鬼門西京極で行われた京都サンガF.C.戦、勝てば自力でプレーオフ進出が決定する徳島ヴォルティスとの最終節を連勝で飾り、5位でクラブ史上初のプレーオフ進出を果たした。

◆誤算の中立地開催の逆境をはね返せるか〜アビスパ福岡〜
Getty Images
▽当初、自動昇格を目論んでいた福岡だが、ホームスタジアムである「レベルファイブスタジアム」が2019年に開催される「ラグビーワールドカップ」に向けての大規模改修工事に伴い使用ができず、今回の準決勝をロアッソ熊本の本拠地「えがお健康スタジアム」で代替開催することを余儀なくされた。

▽さらに、20日にはクラブ公式サイト内で「九州のサッカーファミリーの皆様へ」と題して、九州に本拠を置くJリーグ所属の6クラブのサポーターに向けて応援を呼びかける異例の声明を発表。形振り構わぬ姿勢で昇格を目指すチームはこの逆境をはね返し、2年ぶりのJ1昇格に王手をかけられるか。

◆PO初挑戦も失うものはなし〜東京ヴェルディ〜
Getty Images
▽一方の東京Vは2008年のJ2降格以降、2010シーズン、2011シーズンに5位に入ったが、J1昇格プレーオフが導入された2012シーズン以降は一度も6位以内に入れずにいた。しかし、スペイン屈指の名将ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督を招へいした今シーズンに初のプレーオフ進出を果たした。

▽プレーオフ初出場と福岡に経験面で劣るものの、昨季J2残留争いに巻き込まれ18位でフィニッシュしたチームに失うものはない。最終節後の会見でロティーナ監督は、「シーズンがスタートする段階でヴェルディがプレーオフに入るとは誰も考えていなかった。だから、そこでプレーできるという喜びに溢れている」と語っており、10年ぶりの悲願達成を目指す緑の名門は無欲のチャレンジャーとして今回の一戦に臨む。

【予想スタメン&フォーメーション】

◆アビスパ福岡[4-4-2]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:杉山力裕

DF:駒野友一、冨安健洋、堤俊輔、亀川諒史

MF:山瀬功治、ウォン・ドゥジェ、三門雄大、松田力

FW:ウェリントン、仲川輝人

監督:井原正巳▽最終ラインの主軸であるDF岩下敬輔が欠場となる見込みだが、それ以外は現状のベストメンバーが揃う。直近の試合ではFW石津大介が先発に入ったが、東京Vとの前回対戦で躍動した仲川の先発復帰が濃厚だ。

◆東京ヴェルディ[4-3-3]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:柴崎貴広

DF:安在和樹、井林章、畠中槙之輔、平智広

MF:渡辺皓太、内田達也、梶川諒太

FW:アラン・ピニェイロ、ドウグラス・ヴィエイラ、安西幸輝

監督:ミゲル・アンヘル・ロティーナ▽直近の徳島戦を出場停止、体調不良でそれぞれ欠場したキャプテンの井林と渡辺の復帰が濃厚だ。守備時に4バック、攻撃時に3バックとなる可変システムを採用しており、今回は守備時の[4-3-3]で予想フォーメーションを記載する。

【キープレーヤー】

◆FWウェリントン(アビスパ福岡)
Getty Images
▽福岡の注目プレーヤーは、今季リーグ戦19ゴールの主砲ウェリントンだ。第38節のジェフユナイテッド千葉戦での2度のPK失敗、退場処分という悲劇を乗り越えたブラジル人FWは、以降のリーグ戦3試合で2ゴールを記録しており、好調を継続。また、東京Vとの直近の対戦は出場停止で欠場したが、今年4月に行われた対戦では決勝点を奪っている。勝ちが必須の東京Vが押し込む展開が予想される中、J2屈指のエアバトラーであるDF井林らとの競り合いを制し、前線で起点となると共にチームを決勝に導く決定的な仕事を果たしたい。

◆FW安西幸輝(東京ヴェルディ)
Getty Images
▽東京Vの注目プレーヤーは、卓越したスプリント能力と攻め気十分の仕掛けでサイドアタックをけん引する韋駄天アタッカーの安西だ。本職は右サイドバックながら今季はサイドの6つのポジションでプレーするアカデミー出身の22歳は、今季のJ2でドリブル、クロス数で共にベスト3に入るなど、強力な2人のブラジル人ストライカーと共に攻撃の主軸を担う。勝利が必須のこの一戦では前回対戦で封じられたDF駒野、中央を固める福岡の守備に対して、いかに質の高いクロス、コンビプレー、サイドを深くえぐるドリブルでチャンスメークできるかが重要となる。

◆福岡の経験か、東京Vの勢いか

▽2015年にV・ファーレン長崎、セレッソ大阪(ドローもリーグ上位のレギュレーションで突破)を破ってJ1昇格を勝ち取った福岡は、指揮官を含め亀川や堤、ウェリントンといったプレーオフ経験済みの選手が主力として残っており、リーグ上位のアドバンテージを含めて優位な立場にいる。また、首位湘南ベルマーレと並んでリーグ最少失点(36失点)の堅守というスタイルは、引き分けで勝ち上がれるレギュレーションにおいて大きな武器となる。その一方で、シーズン終盤に入っての得点力不足、とりわけウェリントンを封じられた際の攻撃オプションに不安を抱えており、ホームアドバンテージを得られない熊本での普段とは異なる条件での戦いに加えて懸念材料となる。

▽一方、決勝進出に向けて勝つしかない東京Vは今季のリーグ戦2試合で無得点だった福岡相手にいかにゴールをこじ開けられるかが、最重要ポイントとなる。前回対戦ではウェリントンや冨安、三門ら主力数人を欠く福岡相手に試合の主導権を握りながらもGK杉山を相手に再三の決定機を決め切れず、ゴールレスドローに終わっていた。それでも、試合を通じて相手の守り方を実感できただけに、戦略家イバンコーチ主導の下で相手の堅守を攻略し、クラブ史上初のプレーオフで勝利を掴みたい。J1昇格プレーオフ決勝進出を懸けた一戦は、26日の13時にキックオフを迎える。