(画像: 富士経済の発表資料より)

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 富士経済は21日、iPS・細胞製造プラント/培養受託など、研究のみならず治療での活用も広がりをみせるティッシュエンジニアリング関連市場について調査結果を発表した。

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 16年のティッシュエンジニアリング関連市場は、前年比6.7%増の752億円。再生医療等製品の急拡大や細胞製造プラントの建設ラッシュから拡大を続けている。

 再生医療等製品は培養軟骨、培養皮膚、心筋シート、細胞シートなど各品目の拡大が予想されているが、なかでも「細胞性医薬品」が市場をけん引するとされている。「細胞性医薬品」とは健常者の細胞を培養して作る医薬品。細胞そのものを投与することで、脳梗塞や脊髄損傷など難病の根本治療が可能になると期待されている。

 今後は、こうした細胞治療や再生医療の普及に伴い、「細胞培養受託ビジネス」の拡大や「細胞製造プラント」の増設が進むことから、ティッシュエンジニアリング関連市場全体は30年に、1,500億円超えが予測されている。

 注目市場としては細胞市場の「iPS細胞」を挙げている。「iPS細胞」は心筋細胞や神経細胞の需要が大きく、毒性試験や創薬・スクリーニングなどで採用されるという。

 また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やアルツハイマー病の患者から作製した疾患特異的iPS細胞も希少難病疾患の病態解明などへの活用に期待されている。22日には、京都大学の研究グループが「iPS細胞」を使用して、アルツハイマー病の原因物質を減らす薬を発見したことを発表した。アルツハイマー病患者から作った「iPS細胞」に約1200種類の薬を試すことで、原因物質を減らす既存薬3種の組み合わせを発見できたという。

 現段階では、「iPS細胞」の市場は立ち上がったばかりだが、30年には15億円と大きく拡大することが予測されている。

 その他注目市場としては、「細胞製造プラント」がこうしたiPS細胞の臨床応用の活発化や細胞性医薬品の治験増加などから、長期的には需要が拡大していくという。また、「細胞培養受託」も、がん免疫細胞療法向け免疫細胞の培養を中心に、それ以外の細胞受託も進むことが予測できることから、市場は拡大するとしている。