日本国内最大級のオーディオビジュアルアワード「VGP 2018 金賞」のPC部門金賞を受賞した「HUAWEI MateBook X」

写真拡大

 先日掲載した<「VGP 2018 金賞」を受賞した「MateBook X」を分解 こだわりの音響と放熱の仕組み>に続き、世界初のドルビーアトモスサウンドシステム搭載ノートPC「HUAWEI MateBook X」のサウンドデモを交えたメディア向け説明会「ファーウェイ×Dolby共同セミナー」から、映像作品や映画館で採用が進む最新の音響技術「ドルビーアトモス」の解説を中心としたドルビーパートを紹介したい。
h2>●ドルビーの5つのロゴ その違いは?

 まずは、Dolby Japanの大沢幸弘社長が登場し、「ドルビーラボラトリーズは、音と映像を研究している企業。グローバルではドルビーは放送技術として知られ、テレビの放送システムも支えている」と紹介。音が頭上で動き回るように感じられる、オブジェクトオーディオをベースとしたドルビーアトモスは、従来の環境では技術的な制約から再現が難しかった音、自然では出せない音を出したいなど、映像業界のさまざまなニーズに応えるものだと説明した。

 続いて、5つのドルビーのロゴを示し、それぞれについて説明。ロゴは事業領域を示しており、「ドルビーボイス」は電話会議の最高音質の証し、「ドルビーオーディオ」は全体的な音質、「ドルビーアトモス」は立体音響、「ドルビービジョン」はHDRを含めた高音質サウンドなどと説明した。「ドルビーシアター」はそれらが合わさった映画館向け音響技術であり、提供中の米国や韓国に続き、今後は日本でも展開したいと話した。

 続いてDolby Japanの白柳亨氏がドルビーアトモスの根幹をなす概念、「オブジェクトベースオーディオ」の理論を解説し、ドルビーアトモスシステムを搭載した「HUAWEI MateBook X」の実機デモでの聴きどころを説明した。

 音源データには、どのスピーカーから音を出すかという情報は記録されておらず、忠実に再現するには原理上、無限のスピーカーが必要だが、ドルビーでは、仕様として家庭用ホームシアターシステムでは最大34.1スピーカー(24.1.10ch)、映画館では64スピーカーまでと上限を定めている。

 ドルビーアトモス対応コンテンツの音響効果をフルに体感するには、AVアンプ、スピーカーシステムに加え、トップ(天井)スピーカーまたは、同様の効果を与えるイネーブルドスピーカーが必要。新たに一式揃えるには最低でも10万円以上かかり、組み合わせや個々の製品のグレードも考える必要があるため、導入のハードルは高い。

 対して、「HUAWEI MateBook X」なら、シンプルにPC1台で済む。ファーウェイが全面的に協力してドルビーがカスタムデザインした2つのステレオスピーカーだけで、ドルビーアトモスの立体音響を再現できるよう、音を画面に反射させるなど、さまざまな工夫を行った結果、他社製の一般的なPCの水準をはるかに超えるクオリティに仕上がったと力説した。セリフが聞き取りやすくなるなど、既存の音源でも効果があるという。

 ファーウェイの担当者による「HUAWEI MateBook X」の実機分解、ドルビーアトモスコンテンツのデモサウンドの視聴後、複数のリアスピーカーや天井スピーカーを備えた「ドルビーアトモス 7.1.4.サラウンドデモルーム」に移り、BDに収録された他のドルビーコンテンツや、同じ「HUAWEI MateBook X」向けデモサウンドの映像の解像度を下げたバージョンを再生する聴き比べを実施。確かに臨場感や迫力には大きな違いがあったが、個人ではここまで充実したホームシアター環境を整えることは難しく、設置しやすいサウンドバーや、単体で使えるPCで十分と感じる人は多いだろう。

 映画や連続ドラマ、アニメなど、作品の内容やその日の気分によっては、リビングのテレビで誰かと一緒で観るのではなく、一人で集中して鑑賞したい場合もある。そうした時こそ、動画配信サービスとPCの出番だ。ビジネス用途に加え、プライベートでの映画鑑賞の用途を想定して音質を向上させ、静音性を高めた「HUAWEI MateBook X」のアプローチは、PCの利用シーンを広げるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)