川栄李奈が語る、『アシガール』阿湖姫役の楽しさ 「唯之助とは対照的なお姫様感を意識しています」

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 本日、土曜時代ドラマ『アシガール』(NHK)の第9回「せつないラストチャンス!」が放送される。同ドラマは、『ごくせん』『デカワンコ』の森本梢子による同名人気コミックを実写化したエンターテインメント時代劇。脚力だけがとりえの女子高生・速川唯が、愛する若君を守るために戦国時代にタイムスリップし、足軽となって戦場を駆ける模様を描く。

参考:黒島結菜が語る、ドラマ『アシガール』への情熱 「慣れてきたら甲冑もそれほど重くない」

 リアルサウンド映画部では、忠清(健太郎)との婚約の話が進められている松丸家の姫・阿湖役の川栄李奈にインタビュー。阿湖姫役への想いや、時代ドラマだからこその大変さ、AKB48を卒業して女優として活躍している現在などについて、じっくりと語ってもらった。【インタビューの最後には、チェキプレゼント企画あり!】

■「挑戦することに対して、怖いという感情がない」

ーー川栄さんは『アシガール』をはじめ、ドラマや映画などでは脇を固める役で輝いている印象ですが、逆に「もっと主役をやりたい」という気持ちになることは?

川栄李奈(以下、川栄):あまりないですね。私は主役をやりたいわけではなく、とにかくお芝居をしたいという気持ちが強いので、やらせていただけるなら何番手でもいいんです。たとえ出番が少なくても気にしません。それ以上に色々な役に挑戦していきたいです。

――川栄さんは映画『亜人』でのアクションシーンや、ドラマ『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)でのラブシーンなど、様々なことに果敢に挑んでいる印象です。

川栄:挑戦することに対して、怖いという感情がないんです。自分が普段だったら出来ないことをお芝居でできるからこそ、すごく楽しくてワクワクします。

ーーラブシーンに対しての抵抗もないのですか?

川栄:ないですね。お仕事なので、完全に割り切っています。ただ、やってる時はいいんですが、オンエアされたものを観るのはちょっと勇気がいります。『僕たちがやりました』の時は、「めっちゃチューしてるよ……」って少し恥ずかしくなりました(笑)。

――では、今一番やってみたい役は?

川栄:基本的にホラーとか、ちょっと暗いお話が好きなので、そういう作品に出演してみたいです。明るい役をいただくことが多いのですが、私自身は普段インドアでどちらかと言うと静かな方なので、そういった内向的な部分を活かせる役をやってみたいです。

――川栄さんは明るくて元気ハツラツというイメージがありました。

川栄:そうなんです。よく言われるんですけど、実は全然明るくないんですよ(笑)。

――川栄さんが演じている阿湖姫は、可愛くておっとりした性格の完璧な女の子です。川栄さん自身と共通点はありますか?

川栄:共通点……全然ない気がします。喋り方や雰囲気なども阿湖姫とは違うので。強いて言うなら、唯之助(速川唯/黒島結菜)への気持ちの変化は似ていますね。私も友達がすごく好きなので、阿湖姫が唯之助と仲良くなるにつれて、どんどん心を開いていく感じには共感します。

■「お芝居を好きになったキッカケは、AKB48のドラマ」

――時代ドラマだからこそ、苦労したことはありますか?

川栄:やはり言葉遣いですね。現代では使われていない昔ながらの口調や、イントネーションの違いがすごく難しいです。特にセリフが多い時には、「ワタクシ」と「ワタシ」の使い分けが上手くできず、ごちゃごちゃになってしまいます。目上の方に対して自分のことを話す時は「ワタクシ」って言うんですけど、それ以外で自分自身のことを話す時は「ワタシ」って言う、その区別がイマイチわからなくて……。あとは、所作がすごく大変ですね。

――どういう所作が最も苦労しましたか?

川栄:着物を着ていることがほとんどなので、歩き方から指導していただくのですが、内股で歩くことに慣れるまでが大変でした。肩や上半身を動かさないようにして、足を柔らかく、なるべく音を立てないように歩くことも意識しています。ほかにも長い着物の裾を引いて歩くことに苦労していますね。

――阿湖姫を演じる上で意識していることはありますか?

川栄:本当に良い子で純粋なお姫様なので、そういう内面を観てくださる方にしっかりと伝えられたらなと思います。裏表がなく、誰からも愛されるお姫様でいることを常に意識していますね。しかも阿湖姫はただ単に可愛いお姫様というだけでなく、清々しくてかっこいい部分も兼ね備えているんです。しっかりとした芯があって、人の気持ちを想いやれる優しさが、阿湖姫の魅力かなと私は思いますね。今後、そこも注目していただけると嬉しいです。

――役作りで原作から活かしていることはありますか?

川栄:いつも役作りをあまりしないので、今回も役を作り込むことはしていません。原作を読ませていただき、阿湖姫がどういうお姫様なのかを想像しました。佇まいや喋り口調、トーンから阿湖姫らしさが出たらいいなと思っています。唯之助がすごく男の子っぽいので、唯之助とは対照的なお姫様感を意識していますね。

――なぜ役作りをしないのでしょうか?

川栄:あまり作り込んでしまうと、“お芝居をしています!”感が出てしまう気がして、嫌なんです。自然に物語に溶け込みたいと言いますか。もちろんお芝居する役柄がどんな人物なのか想像はしますが、深く研究することはないですね。

――お芝居はAKB48時代から学んでいたのですか?

川栄:特に学んではいないです。でも、元々ドラマや映画がすごく好きで、色々なジャンルを観てきたので、無意識のうちにそこからお芝居に活かしている部分はあるかもしれません。小さい頃からテレビっ子だったんですよ。

――ではなぜ、アイドルから役者業に転身しようと?

川栄:ずっとお芝居が好きだったので、AKB48を卒業して、女優業に専念することを決めました。お芝居を好きになったキッカケは、AKB48のドラマです。『マジすか学園』(テレビ東京系)や『セーラーゾンビ』(テレビ東京系)など、いくつか出演させていただき、それがすごく楽しかったんですよね。AKB48のドラマ以外にも、お芝居をする機会をいただき、そこで同世代の役者さん方と共演したことが、すごく刺激になりました。もっとお芝居をやりたいと思うようになり、やるなら早い方がいいなと思ったんです。

■「撮影はすべて楽しい」

――特に刺激を受けた同世代の役者は誰ですか?

川栄:特定の誰かというより、『ごめんね青春!』(TBS系/2014年)というドラマの撮影がすごく刺激的でした。『ごめんね青春!』は、学園ドラマだったので、出演者が同世代の方たちばかりで、みんなで作り上げている感じが強かったんです。実はこのドラマでも(黒島)結菜と共演しています。また、先生役の錦戸(亮)さんや、満島(ひかり)さんはじめ、幅広い年代の方たちと一緒にお芝居をするのも新鮮でした。

AKB48の中しか知らなかった私が、いざ外に出てみると、今まで見ていた景色と全然違っていて、こんなにすごいんだと感動したんです。私はアイドル活動をやりながらお芝居をしているけど、ほかの皆さんは役者一本の方がほとんどだったので、そこが自分の中で引っかかりました。AKB48をやりながらお芝居をするというやり方も、もちろんあるとは思うんですけど、私はお芝居がやりたいと強く感じたので、だったらAKB48を辞めようと決心したんです。

――『アシガール』では共演者から刺激を受けることはありますか?

川栄:結菜とは今回で3回目の共演なのですが、ちょっと男の子っぽい面を持っているので、唯之助役がぴったりだなと。走るシーンが多く、主役でもあるので、撮影は大変だと思うのですが、結菜は一切弱音を吐かず、楽しそうにお芝居をしています。そんな結菜の姿を見て、私もがんばろうと思っています。

ーー撮影での楽しかったエピソードはありますか?

川栄:基本、撮影はすべて楽しいです。姫という役や時代ドラマをやらせていただくことがほとんどなかったので、すごくいい経験をさせていただいています。

――最後に今後の見どころを教えてください。

川栄:阿湖姫の見どころは、可愛らしくてふわっとしたお姫様なのですが、実は強くて優しい女の子というのが、徐々にわかってくるところです。阿湖姫のかっこよさを観ていただきたいですね。作品としては、私は唯之助が忠清さんのために駆け回る姿が好きなので、最後まで彼女の一生懸命な姿に注目しています。(取材・文・写真=戸塚安友奈)