堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が答える本連載。今回の相談者は本田由美子さん(仮名・35歳・IT関連会社勤務)。

「昔から、小さな借金をされやすく、借用書がないまま、お金を踏み倒されています。

豪快なアネゴキャラを気取るがゆえに、“私がまとめて払っておく”という立ち位置にいつの間にかいることが多くて……。

例えば、高校の部活の後のドリンク代、大学時代はカラオケの割り勘分など、立て替えてあげたうちの一割程度が回収できないままなのです。社会人になってからは、同僚とのランチ代、飲み会のお金など、私が立て替えても、端数を払ってもらえなかったり、踏み倒されることも少なくありません。

彼との食事代も、私が払っても半額が戻ってこないほうが多いです。

今回、相談したのは先日、20人以上じゃないと予約できないコース料理のお店での食事会を企画しました。予約した人が全員来るというのが前提で、当日キャンセルは実費負担となるお店です。それなのにドタキャンした人が2人いたんです。1人6500円なので、幹事の私は1万3000円を立て替えて支払いました。

後日、来なかった女性1人は払ってくれたのですが、もう1人は“ドタキャンなんだから、払って”と言っても、“今度払うよ”と言われて、かわされてしまいました。ちなみに、この未払い女性は私が払ったランチ代を踏み倒す同僚です。彼女に払わせるのはどうすればいいのですか?強く言う時に、法的根拠があれば教えてほしいのです」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

少額の貸金・立替金には借用書がない場合がほとんどです。しかも、ランチ代やカラオケ代、飲み代程度であっても、“チリも積もれば山となる”的に回を重ねれば大きな金額になっていってしまうものです。

さて、あなたの場合、当然相手に請求できます。この法的根拠は,「立替金を返してほしい」ということです。

相手の方はお金を返してと言っても、のらりくらりと交わしているので、強く請求すると、居直ってあなたにさまざまなお金を立て替えさせたことを認めない可能性があります。

この場合は、他の同僚がいれば証人になってもらうのもひとつの手。でも、証人がいない、あるいはいるけれども巻き込まれたくないので断られてしまったら、証拠がないということになってしまいます。ケンカ覚悟で、しつこく毅然と言う以外ありません。

ケンカを避けるための対応策としては、相手にあなたの費用を立て替えさせること。例えば、今まで立て替えた金額分を相手に立て替えさせて、チャラにしようと提案してみてはいかがでしょうか。

今回のように、そもそもランチ代すら立替金を返さなかった人は、信用がおけません。次は貸すのを断るなど自己防衛が必要です。個人間の少額のお金の貸し借りは、“あげる”くらいの気持ちで行なわないと、後々トラブルになると感じている人は多くいます。

人間関係上、断りにくいなどの問題はあるでしょうけれど、後で自分が嫌な思いをするくらいなら、信用ならない人とはお金のやりとりはしないことです。

食事代の立て替えを、そもそもしないことが解決策のひとつ。



■賢人のまとめ
ごまかされたり、ケンカになりそうで強く請求するのはためらうという場合、相手に自分の分を立て替えさせてチャラにするという解決策もアリ。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/