“逆さ富士”をイメージした静岡県富士山世界遺産センターの木格子

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 シェルター(山形市、木村一義社長)は、木造建築デザインの自由度を高める新たな3次元設計・加工の提案に乗り出した。木材を切削し、複雑な形状で削り出す加工技術を確立した。曲線や曲面、ひねり(ツイスト)などのある形状を持つ部材を供給し、木造建築の市場を広げるのが狙い。今後、欧州などの専門家と手を組んだ供給体制構築にも取り組む方針だ。

 シェルターが提案する3次元設計・加工による部材群の呼称は「FREE WOOD(フリーウッド)」。木材の削り出しで、従来困難だったツイスト形状の加工や角度や曲率の異なる複数の部材を組み合わせる構造体の提案が可能になった。安達広幸常務は「デザインから設計・加工設計、機械加工までソフトウエアの連携を実用化した」と説明する。

 同社は2015年に曲面建築などを可能にするスイス製の3次元加工機をアジアで初めて導入し、木材から複雑形状部材を削り出す加工ノウハウを蓄積してきた。

 一般の設計事務所などで使う汎用性のある3次元CADやCAMなどのデータと連携し、加工機を動かす仕組みを構築。ソフトの汎用性を基準とした製作アプリケーションの考え方を取り入れ、3次元データがあれば、CNC(コンピューター数値制御)加工まで連動させることが可能になるという。

 安達常務は「木造建築の可能性を広げるためにもフリーウッドを提案していく」とし、木材需要喚起を促す。新技術は静岡県が12月23日に開所する「静岡県富士山世界遺産センター」の木格子の部材にすでに採用された。

 建物中央部の展示棟は“逆さ富士”をイメージした木格子で覆われている。木格子は約8000パーツを使用。この木格子部分の木材加工と施工をシェルターが手がけた。