左からMF川辺駿、MF大島僚太、MF清武弘嗣、MF扇原貴宏、MF三竿健斗

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 今大会より「東アジア杯」から名称を変更した「EAFF E-1サッカー選手権」が12月に日本で開催される。開催時期が国際Aマッチウィークではないため、男子の日本代表は国内組で臨むことになるが、同大会をきっかけにA代表に定着し、W杯行きのチケットを手に入れた選手は多数いる。ロシアW杯本大会が半年後に迫る中、アピールに成功するのは誰なのか――。今回はMFにスポットライトを当てて、国内組サバイバルレースの現況を探る。

 ハリルジャパンでレギュラーを張るMF山口蛍(C大阪)とMF井手口陽介(G大阪)、10月のキリンチャレンジ杯で2試合連続ゴールを記録したMF倉田秋(G大阪)が中盤の軸となるだろう。そして、11月の欧州遠征でA代表初選出となり、ベルギー戦で先発デビューしたMF長澤和輝(浦和)もハリルホジッチ監督から「初めての試合にしては本当に良かったと思っている。たくさん走ったし、守備もたくさんしてくれた」と高く評価されており、浦和がクラブW杯出場を決めている場合を除き、継続して招集される可能性は高い。

 とはいえ、海外組を含めたチームでの立ち位置には大きな差があり、山口、井手口が不動の存在とも言える一方、倉田や長澤はまだ指揮官の信頼を完全に勝ち取っているとは言い切れない。ロシア行きに一歩でも近づくためにも、今大会でのアピールは不可欠となる。

 そして、中盤には復活を期する選手がいる。それが、3月シリーズ以降、代表から遠ざかっているMF清武弘嗣(C大阪)と、昨年9月のW杯アジア最終予選初戦・UAE戦で代表デビューを飾ったMF大島僚太(川崎F)だ。一時は代表でレギュラーポジションを手中におさめたかに思われた清武だが、6月シリーズで「倉田と清武の競争だった」と語ったハリルホジッチ監督が倉田を選択すると、その後は負傷もあって戦線を離脱。しかし、9月末に復帰を果たすと、ルヴァン杯優勝に貢献するなどコンディションを上げてきている。E-1選手権で再び輝きを放ち、ロシア行きのサバイバルレースに名乗りを上げたい。

 そして、大島も代表で悔しさを味わった。デビュー戦を先発で飾りながらも2失点に絡むと、指揮官からは「もう少し期待していたが……」と厳しい言葉。続く10月シリーズには招集されたが、その後は声がかかることがなかった。しかし、J1リーグでは攻守において出色のプレーを見せ続け、チームメイトのMF中村憲剛が「点に絡めるようになれば、日本でトップの中盤の選手になる」と太鼓判を押すほどの存在感を示している。負傷が癒えた今、リベンジの舞台に立ちたいところだ。

 中盤は新戦力にも注目すべき存在がいる。常勝・鹿島でレギュラーポジションを奪い取ったMF三竿健斗が、その一人だ。大岩剛監督就任以降、先発に定着すると、鋭い読みを生かしたボール奪取で最終ライン前の防波堤となるだけでなく、正確な散らしで攻撃にリズムをもたらすなど中盤を支えている。

 そして、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を遂げるMF川辺駿(磐田)も見逃せない。強引にボールを奪い取る球際での強さを発揮し、機を心得た飛び出しとスラロームのような滑らかなドリブルで縦への推進力を生み出すなど、攻守両面で好パフォーマンスを披露。ともにリオデジャネイロ五輪世代で、まだまだ伸びしろもある。ロシアW杯前に一度は試してほしい選手と言えるだろう。

 他にも3月のW杯アジア最終予選・UAE戦で“救世主”となったMF今野泰幸(G大阪)、9月以来の代表復帰を目指すMF高萩洋次郎(FC東京)、10月のキリンチャレンジ杯前に招集の可能性が一部で報道されたMF扇原貴宏(横浜FM)、MF山村和也(C大阪)らが虎視眈々とメンバー入りを狙っている。海外組がいなくとも、ハイレベルな争いが繰り広げられるのは間違いなく、中盤の構成は大きな見どころの一つになりそうだ。

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