市原でJFLへの狭き門をくぐり抜けろ!全国地域CL一日目のすべて

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さあみんな、2017年日本サッカーの締めくくりだ!

お久しぶりです、コラムニストの籠信明(@cage_nob)です。

浦和レッズはアル・ヒラルとのAFCチャンピオンズリーグ決勝を戦っている最中!燃える試合が行なわれているぜ!

しかし、僕がいるここ千葉県の市原市では、それに匹敵する…いや、超える?重要な大会が行なわれているのだ…。

そう、それはもちろん「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2017決勝大会」!

国内サッカーファンならば一度は観戦を夢見る、JFLに昇格するための極めて細い道、そして「三日で三連戦」の地獄スケジュール。もう、熱くなっちゃう要素が満載なのだ!

今回予選グループを勝ち抜いてきたのは、地元となるVONDS市原、関西王者アミティエ京都、テゲバジャーロ宮崎、そしてコバルトーレ女川の4チームだ。

ということで、訪れましたYO!ゼットオー…ゼットエー…どっちだったか未だに迷う旧市原臨海競技場へゼェーット!

【次ページ】3バックはむずかしい

3バックは あなむつかしきものぞかし

第1試合はコバルトーレ女川対テゲバジャーロ宮崎だ!サポーターは女川がバックで声出し+メイン、宮崎はメイン側で自由応援スタイルだ。

アマチュアサッカーや女子サッカーは欧州トップほど複雑でスピーディというわけではないので、考えながら見るととてもおもしろい。そんな要素が詰まった試合でありました。

対立軸としては、自分たちのテクニックでアクセントをつけようとする女川と、相手に合わせようとする宮崎。

試合の鍵になったのは後者の戦い方だった。宮崎は3-5-2で2トップを前線に残し、一発のカウンターで破ろうと狙う。

しかし、それを意識するあまりか、下がっていく相手選手へのチェックが遅れてバイタルエリアに通される、ウイングバックが下げられて5バックになる、そして最終ラインがすぐ下がってしまう。

そうなると更に中盤でチェックに行けず、ボールをペナルティエリアにまで持ち込まれてしまうという悪循環だ。

そして、ペースを掴んだ女川が前半のうちに先制!1-0でハーフタイムに突入する。

ところが、後半はまたそれがガラっと変わるわけである。

【次ページ】グループステージでPK戦というのも独特ね

PK戦は ざんこくなものです

宮崎がやったのはファーストプレッシャーの形だ。チェックに行けなかったウイングバックは、3バックのストッパーに受け渡してもいいからボールホルダーへ向かう。

ここが下がらないからボランチやトップ下もプレスに行ける。一瞬最終ラインが止まれるから、全体のブロックも下がらない。

これまで守備の際に「いるだけ」になりがちだった3バックの3枚が、流れの中で有機的に動き始めたのだ。

だからこそ、宮崎が賭けていた2トップのスピードも生きた。

51分には大ベテランの高地系治選手が同点ゴール!右からのシュートをエリア内でちょこっと合わせて決めた。

さらに78分にはセットプレーから追加点!土断場で宮崎が大逆転!…だったのだが、これで終わらないのが地域チャンピオンズリーグである。

これでまた下がってしまった宮崎は、自分たちがペースを掴んだ要因を手放してしまう形になったのだ。

女川は再び押し込める展開を手にして、86分に同点ゴールを奪取!最後の最後で試合は2-2の引き分けに…。

おそらく、宮崎は「2トップと女川のDFの対人戦に持ち込めば勝てる」という算段があったからこそ、最初にカウンターを狙ったのだろうと思う。オープンにすればするほど、この局面だけの勝負が強調できる。

しかし、オープンにしすぎると今度は自分たちがやられすぎて、そんなことすらできなくなってしまうということだ。

「相手に多少やらせておいてカウンター」というのはブラジルがよくやる手ではあるが、簡単にやれることではないんだよと。そういうことですな。

ともかく、この大会は引き分けになるとそのままPK戦を行うことになり、勝利した方に勝点2、負けた方に勝点1が与えられる。

両者が2人目まで決めたあと、女川の3人目が左ポストに当てて失敗。

しかしその後宮崎の4人目が右ポストで失敗、さらに5人目のコースも甘くなって女川GKがストップ!宮崎は最後で2連続ミスとなり、ここでも逆転負けに…。

【次ページ】地元がいないとね?

地元のチームがいるというのはいいことです

そして第2試合目、地元でこの大会を戦うことができるVONDS市原の登場だ!そのため、なんと屋台も!

アマチュアサッカーの会場はいつだって周りに食料が乏しいもの。出店があるのは本当にありがたいことであります。

田畑はよくあるんですけどね。それはね、原材料だから食べられないの。

久々にアミティエサポーターと再会し、そしてVONDSサポーターにもご挨拶へ!暖かく迎えてくれてありがとう!掲載許可も頂いております。僕はサウルコス福井サポだから全員緑だ!

そして試合はキックオフ。VONDS市原はワントップにレナチーニョを置いてあまり動かさないという珍しい形だった。

彼はいつも前線からボランチの位置やサイドに流れてボールを引き出し、常に攻撃の起点になっていたはず。

3日間の連戦を考えて、中心選手の消耗を抑えていく狙いなのか。それともレナチーニョ×センターバックの対人戦で勝てると踏んだのか?

それもあって、前半からペースを握ったのはアミティエ京都だった。プレッシャーをかけて奪い、速攻からスピードを行かして攻める。セットプレーやクロスからは何度も可能性を感じる攻撃を見せていた。

しかし前半は得点が取れず…。そしてVONDSの「何か隠している感」が不気味であった。

レナチーニョは5分ほど非常に広く動いたが、すぐに前線固定に逆戻り。仕掛けどころを狙っているのか…と思わせた。

【次ページ】あれ?意外と…

2、3試合目に隠してる?

さあ、ハーフタイム明けにはアミティエ京都名物、非公式応援歌だ!

もちろん今回も掲載許可を頂いているぞ!土日観戦に来る人はYoutubeで予習だ、メインスタンドのみんなも良かったら、ね?

前半はかなり不気味な雰囲気を漂わせていたVONDS市原であるが、意外と後半も仕掛けてこない…。

展開は後半も大きな変化はない。アミティエはプレッシャーと早い仕掛け、クロスとセットプレーから可能性を感じるプレー。

VONDSはその消耗を待っているような不気味な態度を見せるも…意外にレナチーニョが動いてこないのである。

当然アミティエも前半ほどには走れないのだが、VONDSにスイッチの入れどころがない。要するに「こうなったら必ず良い展開になるから、みんな信じて走れ!」というタイミングがないということだ。アミティエの守備がうまく「動かないレナチーニョ」を抑えられているということでもあるが、ここがゼムノヴィッチ監督の誤算だったか?

良い形には持っていくのだが点が取れないアミティエ、そして本領発揮に至らないVONDS。試合は0-0のままで終了し、PK戦へ。

そして、そこではまたドラマが…。

両者ともに4人目までは全員成功。勝負がついたのが5人目だ。

先攻のアミティエが成功し、出てきたのはレナチーニョ。イライラが全面に出る場面も見られたエースは…なんと上に大きく外す!

アメリカW杯のロベルト・バッジョではないが、こういう時は重要な選手が外してしまうものなのだな…。

これによって、PK戦で勝利を収めたアミティエ京都が勝点2、VONDS市原が勝点1という形で1日目が終了した。

さあ、そして今日ももちろん10:45と13:30からゼットエー…スタジアムで全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2日目が行なわれるぞ!関東圏に在住のサッカーファンは、ACLだけじゃなくてこちらにも注目だ。五井駅からシャトルバスも出るらしいぞ!

なお会場の気候は「日が射すと暑いが、日陰だとかなり寒い」という微妙な状況。特にバックスタンドは2階があるので、1階にいると結構ブルブル来るほどだ。

観戦に訪れる方は服装に注意だぞ!太陽があるからと言っても、防寒具はかなり持って行ったほうがいいぞ!風邪引かないようにね!ではまた!

筆者名:籠信明

福井県と京都府を本拠地として活動。フランス、ポルトガル、アジア、アフリカなどのサッカーが得意分野で、海外ではPSGとヴィトーリア・ギマランエスのファン。「なぜか喋れるライター」として最近バニーズ京都SCのスタジアムDJ、日本代表パブリックビューイングのゲストコメンテーターなども務めている。『ハリルホジッチ思考―成功をもたらす指揮官の流儀』共著。

Twitter: @cage_nob