「受け身にならない」 浦和DF槙野、高ぶる思いのなかで掲げた「デュエル宣言」

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槙野が説いた冷静さの重要性「一番危険なのは、いつも以上のことをしようとすること」

 浦和レッズは10年ぶりのアジア制覇を懸け、25日にアル・ヒラル(サウジアラビア)とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦に臨む。

 今や頼れるディフェンスリーダーとして君臨するDF槙野智章は、勝敗を分ける鍵として「冷静さ」を挙げた。

 18日に行われた敵地での初戦、槙野はセンターバックとしてフル出場。日本代表の欧州遠征でブラジル戦(10日)、ベルギー戦(14日)にもスタメン出場し、9日間で3試合という強行軍となったが、全てのゲームで高いパフォーマンスを見せてきた。25日の第2戦ではDFマウリシオが出場停止から復帰するため左サイドバックでの出場も予想されるが、そうしたポジションの違いよりも、大一番に向けたメンタル面の重要性を強調した。

「いつも以上に冷静に戦わないといけないと思います。大一番で一番危険なのは、いつも以上のことをしようとしてしまうこと。自分たちの出せる最大限を出す準備が必要ですね。初戦からの修正点は、今週やってきたのでピッチで表現したい。何よりも、ホームでタイトルを取るための戦い方をしたいですね」

 槙野は前任のミハイロ・ペトロヴィッチ監督時代から、超攻撃的DFとして名を馳せてきた。3バックの一角として攻撃参加を繰り返してきたが、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督も、7月末から指揮を執る浦和の堀孝史監督も4バックを採用。守備に注力する割合を増やし、持ち前の身体能力と対人プレーでの強さを生かしてDFとしてひと回り成長した姿を見せている。そして、25日の第2戦でもそのスタイルを大事にしたいと語る。

「地上戦でも、空中戦でも圧倒するプレーを」

「我慢強く、デュエルのところ。地上戦でも、空中戦でも圧倒するプレーをしたい。全員が高い守備意識と攻撃への意識を持つのが大切です。ただし、0-0でもタイトルですが、ボールをつないでゴールを奪う受け身にならないサッカーをしたい。ボールを奪われたら、素早く切り替えて奪い返す意識を持って、高ぶる思いはありますけど、前線の選手たちを声でコントロールしていきたい」

 これまでにも浦和はタイトルを懸けた試合に臨んできたが、現在のチームに “高揚感”はなく、淡々と準備を進めてきているように感じられる。槙野自身も「士気は上がっていますけど、空回りする感じはないですね」と、その地に足のついた空気感に自信を持つ。

 今年5月に30歳を迎え、本人の言葉を借りれば「もう若くない」領域に突入してきた。槙野の落ち着き払ったプレーは、間違いなく浦和を10年ぶりのアジア王者に導くための大きな力になるはずだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images