血液をキレイにすることや、血液の質を上げるのももちろん大事だけれど、それが流れる「血管」が健康でないと、栄養は届かない。大事なのはずばり、「血管力」。しなやかで、なめらか、血が巡る若々しい血管を目指そう。

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血管を若返らせるアイデアを医学博士の池谷敏郎先生に伺いました。

【しなやかさの要はNOにあり!】血管は自ら若返る力を持っている。「血管内皮細胞から分泌されるNO(一酸化窒素)が、収縮を抑えて血流を良くし、血管をしなやかに保ってくれます。NOは、内皮細胞が元気なほど分泌が活発に。その内皮細胞を活性化させるには運動が一番」と池谷先生。「NOは血管内を血液が流れる刺激で出てきます。有酸素運動は、内皮細胞そのものを活性化させる効果も」。血行を促すには入浴もオススメ。血管力をアップさせるNOをコツコツ作ろう!

【血管の質を上げる食品を選ぶ。】血管を若返らせる食品もぜひ味方につけて。血管内皮細胞に直接働きかけてくれるのが「ラクトトリペプチド(LTP)」という成分。内皮細胞機能を正常化し血圧も下げてくれます。青魚やマグロなどに豊富に含まれるEPAや、アマニ油やエゴマ油などのオメガ3系脂肪酸に内皮細胞の働きを助けてくれる効果が。また、血管に柔軟性を与えるコラーゲンも大切な成分。タンパク質の摂取に加え、産生を促すサプリメントなどで補うのも手。

1分間正座でびりびり加圧。

NOの分泌促進には正座も効果的。正座は脚の血管を圧迫し一時的に血流を低下させる。そして正座を崩した瞬間に、押さえつけられていた血管が一気に広がり血流がドッと流れ、その勢いで血管内皮細胞が活性化。血管内でNOが大量に分泌されるのだ。座りっぱなしの姿勢が続いたときなどに、椅子の上でこっそりできちゃうのも嬉しい。両脚に均等に体重がのるようにしよう。しびれすぎないよう1分を目安に。

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正座を1分間。その後、脚を伸ばしてリラックス。脚がじんじんしない場合はもう少し長めに。

しなやかさを増す良質のタンパク質を摂取。

血管の材料となるコラーゲンを作るのにタンパク質は欠かせない栄養素。豊富に含む豆類を積極的に食べる意識を。女性ホルモンの働きを助けるイソフラボンも含まれているので、血管の状態を安定させる効果も。また、炭水化物を食べる前に豆を食べる(ソイファースト)ことで糖や脂肪の吸収を抑えてくれるそう。「できれば茹でたものより、栄養素が逃げていない蒸し豆のほうがいいですね。市販のものが手軽でおすすめ」

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北海道産大豆を使用し、ほっくりした食感に蒸し上げた、食べ応え満点の一品。おやつにも、サラダの具材にも。そのままがおいしい蒸し大豆 100g オープン価格(フジッコ TEL:0120・078126)

血管若返りチーズを選んで食べる。

血管内皮細胞を正常化させたり血圧を下げる働きがあるLTPが豊富に含まれているのが、ブルーチーズやゴーダチーズ。「たとえば血液サラサラ効果があるタマネギを味噌汁の具にして、そこにゴーダチーズを1杯につき10gほどプラスしてみて。豆腐みたいで意外と合いますよ。チーズでコクが出ますし、味噌の量が減らせるので、減塩にもつながります」。クセの強いブルーチーズはオムレツなどに入れるのも。

ワインのおつまみにはゴーダチーズやブルーチーズを。血管は修復を繰り返し、健康を維持している器官。修復力をつける食事を意識しよう。

池谷敏郎先生 医学博士。池谷医院院長。血管、血液、心臓などの内・循環器科が専門の“血管の名医”。著書に『「血管を鍛える」と超健康になる!』(三笠書房)など。

ギャザーカットソー¥7,300 ムーンレギンス¥8,300(共にエミ ヨガ/エミニュウマン新宿店 TEL:03・6380・1018)

※『anan』2017年11月29日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・高松由佳 モデル・麻絵 イラスト・吉田トキオ 取材、文・齋藤春菜

(by anan編集部)