マツダの宇品工場の産業用ロボット

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 「ひろしま生産技術の会」はマツダのサプライヤーなど21社が参加するロボット技術の研究会。「24時間365日無人稼働する工場」を目指し、定期的な会合を開いてきた。ロボットシステムの外販に乗り出す会員企業も出てきており、ロボットシステム構築(SI)業の先進例として注目を集めている。鵜野政人会長(ヒロテック会長)に聞いた。

 ―会の活動状況をどう評価しますか。
 「2006年の発足時は3社だった会員が21社まで広がり、IT企業の参加も増えてきた。今後はIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)などIT活用が不可欠で、今春IoT部会も作った。順調にこれたのは、実費のみの手軽で柔軟な運営と、率直な意見交換のおかげだ」

 ―外販に意欲的な会員もいるようですね。
 「シグマ(広島県呉市)や当社は車部品メーカーでシステム外販を進めており、メカトロデザイン(広島県東広島市)のようなSI業者の会員もいる。中小のSI業者は大規模案件に対応しづらいのが悩みで、いずれこの会で共同受注も手がけていきたい。その際も案件ごと柔軟に連携する方がうまくいく」

 ―ユーザーとしての立場から、これまでのロボットへの不満点は。
 「ロボットの目と手と頭。安くていいカメラがなかったし、ロボットのハンドは取り扱う品ごとに変える必要がある。そもそも乱雑に積まれた部品を扱うランダムピッキングでさえ部品の置き方や形状、色が変わればできない。そこを一歩一歩クリアしてきた。頭脳は深層学習など技術が進歩しており研究にも着手した」

 ―「2017国際ロボット展」に会員8社で出展します。
 「8社のうち4社が実際にロボットを使ったシステムを見せる。4社は補助金を受けてランダムピッキングの研究を進めてきたメンバーでもある。これまでの成果を披露できるし、商談にもなれば」

 ―ヒロテックとしての取り組み方針は。
 「プレスや溶接など自動車のラインビルダーとして実績がある。今後はより小規模なシステムや車以外のさまざまなシステムも手がけていく。食品業界からの初受注も決まったし、小規模な車部品サプライヤーにももっとロボットを使ってほしい。人手不足の中でニーズはあり、SI業者の育成を進める国の政策にも合致する。25年ごろに、年間100億円規模に育てたい」