これまで、LINEのテクニックを3ヶ月にわたり伝授してきた。

これはいわば、マンツーデートに漕ぎつけるための駆け引き。

この難関を突破し、いよいよデートに臨む諸君に捧ぐ『デートの答え合わせ』、開幕である。




智枝美との出会いは、先輩に呼ばれたホームパーティーだった。

長身で、すらりとした色白美人。日本人離れした綺麗な顔立ちに目を奪われたが、先輩宅でのホームパーティーで、出しゃばる訳にはいかない。

そんなことを思っていると、先輩がまさかのナイスアシストをしてくれた。

「智枝美ちゃん、武雄と話した?紹介するよ。こいつ、俺の後輩で武雄って言うんだ。 」

先輩のお陰で、僕は智枝美と話す機会を得た。

「初めまして。武雄です。ヒトシさんの会社の後輩です。」

緊張して何を話していいのか分からず、当たり障りのない自己紹介をしてしまった自分を悔いたが、智枝美は笑顔で答えてくれた。

「今度ヒトシ君に私の女友達を紹介する約束をしていて...良ければ武雄さんも来ませんか?」

そんな流れで、僕は智枝美と、まずは4人で食事をすることになった。


よくあるこの流れ。ここから二人のデートに持ち込むためには?


Q1:2対2での食事。この時気をつけるべきことは?


デートではないが、まずは食事に行ける。これだけでも大きな前進だろう。

ヒトシ先輩がいるので、僕は遅れないよう表参道の『アビス』へ向かった。




女性とのデート以外で、フレンチを食べる機会は滅多にない。久しぶりのフレンチだなぁ...なんて思っているところでヒトシ先輩が登場し、そして女性陣二人がやってきた。

もちろん、席順はヒトシ先輩の目の前に智枝美の友達・エリ、そして僕の目の前に智枝美だ。

相変わらず今日も綺麗な智枝美に、僕はしばし見とれてしまった。白のオフショルダーから見える華奢な肩が、智枝美の美しさを更に引き立てている。

そんな僕の視線に気がついたのか、不意に智枝美と目が合い、慌てて目をそらしてしまった。美女と目が合うのは、緊張する。

「まずはシャンパンでいいかな?」

ヒトシ先輩の一言で、食事会は始まった。しかし今回の目的は先輩にエリを紹介するという明確な理由があったため、食事会というよりはダブルデートと言った方が正しいだろう。

僕はてっきり、智枝美とこの食事で親密になれると信じでいた。

しかし、現実は残酷である。
食事の間中、智枝美はヒトシ先輩と喋っていたのだ。

「じゃーヒトシ君のタイプは?」
「そうなのー?じゃあ武雄君は、ヒトシ君の大学からの後輩なんだぁ。腐れ縁だね。」

目の前にいる僕とはほとんど目も合わせてくれず、ヒトシ先輩と楽しく話す智枝美に、軽い嫉妬を覚える。

ー僕のこと、全く眼中に入ってないじゃん...

そうかと言って、智枝美が連れてきたエリは先輩に紹介するという名目で来ている訳だし、僕がしゃしゃり出て話す訳にも行かない。

そして何より、先輩の顔を潰す訳にもいかない。

こういう時に、自分の無駄なお人好しを恨めしく思う。先輩を立てつつ、女性陣の飲み物に気を使いつつ、僕はひたすら裏方に徹していた。

しかし、不意に幸運の女神が僕に微笑んできた。

もう1軒行ったところで、智枝美は酔った勢いなのか、こう耳元で囁いたのだ。

「今度、二人で食事に行きませんか?」


二人きりでの食事!彼女がデート中に彼に胸キュンしたポイントとは?


翌朝。昨日の智枝美の一言は酔った勢いなのかどうか確かめるべく、念のためLINEで確認した。

-昨日食事行こうと言っていたけれど、誘ってもいいのかな?

中々既読にならないLINEの返事をやきもきしながら待っていると、智枝美からこう返信が来た。

-もちろんです。来週木曜とか、ご都合如何ですか?

こうして、僕と智枝美の初デートが決まったが、そこには更なるサプライズが待っていた。


Q2:自分の中で20点の出来だったのに。何が良かったの?


智枝美とのデートは、最近お気に入りの『サンクサンス』にした。




ジビエ料理が手軽に、且つリーズナブルに食べられる上、ペアリングもあってデートにもってこいの店だ。

テーブル席にある引き出しを開けると出てくるカトラリーを“こんな所に引き出しがあるなんて〜!”と嬉しそうに取り出す智枝美を見て、僕は思わず笑顔になる。

「智枝美ちゃんは、お酒強いのかな?って、強いに決まっているよね。」

言ってから、しまったと思うが後の祭りだ。女性に対して、これは失礼な発言だろう。

「この前飲んでいたのを見て、強いなぁと思って!決して見た目云々の話じゃないよ。」
「武雄さんって、本当に面白いですよね。お酒、好きです!今夜は飲みましょう。」

そう言いながら、二人でグラスを傾ける。

「武雄さんって、休みの日とか何をされていますか?お買い物とか?」

「ドライブへ行ったり、友達と飲みに行ったりとかかなぁ。飲みに行く機会も、最近周囲が結婚してかなり減ったけどね。」

「へぇ〜案外普通なんですね。」

どうでも良い子だったらこんなこと気にもしないのに、今の自分はどう見られているのかなど気にしてしまう。(そして空回りをする)。

今回もダメかな...そう思っていたが、智枝美は予想外の反応を示してきた。

智枝美のペースに巻き込まれるかの如く、僕たちはペアリングだけでは飲み足らず、結局2軒目にも行き、かなり酔っ払ってしまった。

「今日はありがとう。楽しかったよ。」

そう言ってタクシーを拾い、智枝美を先に乗せようとした時に、不意に彼女が僕の方へ近づいて言った言葉に、僕はその場で硬直する。

「私、武雄さんのこと好きです。」

それだけ言うと、智枝美はタクシーに颯爽と乗り込み、去っていった。

一人六本木交差点で立ち尽くしながら、スローモーションのように今起こった出来事を振り返る。

-今、智枝美は何て言った...?

慌ててLINEを智枝美に送りながら、考える。そもそも初デート(正確に言うと4人でのデート)は全く話してくれなかった智枝美。

そして今回のデートも、ぎこちなさが残っていたし、自分の中で完璧と言えるには程遠い出来だった。

それなのに、どうしてなのだろう...?

徐々にこみ上げてくる嬉しさに一人ニヤつきながらも、どの辺りが彼女に刺さったのか分からずにいる。

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男の考えるいい男と、女の考えるいい男:デートの答えあわせ【A】

<これまでのデートの答えあわせ【Q】>
Vol.1:2軒目のデート開始30分。彼女が「明日朝が早い」と突然帰宅したのは、ナゼ?
Vol.2:2人きりでの食事・デートの誘いに乗ってきた。=“脈アリ”じゃないの?
Vol.3:初デートは「19時、駅に待ち合わせで。」このNGポイントはどこ!?
Vol.4:私の、どこがダメだった…?会話も、化粧も服装もすべて完璧だったのに
Vol.5:初デート。「もう1軒行かない?」と言われた時に男が取るべき行動とは
Vol.6:デートの重要なポイント、店選び。女が男を“友達”だと判定した理由とは?
Vol.7:デートにおける永遠のテーマ、お会計問題。どう振る舞うのが女として正解なの?