最新版!「残業時間が少ない会社」トップ10

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残業が少ない会社はノー残業デーの制定、在宅勤務制度などの施策を積極的に行なっています (写真:saki / PIXTA)

働きやすい、労働条件がいい会社はないか――。

11月20日に発売した『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2018年版には、雇用関連の情報が豊富に掲載されている。就職活動中のみなさんにも役立つ情報が満載だ。

条件のいい会社を見つけるには、ランキング形式で抽出する方法が適切だろう。この本の掲載データを使った就活に役立つランキングの連載も3年目を迎えた。今回、刊行したばかりの2018年版を使って、「月平均残業時間」を取り上げる。掲載1413社のうち、月平均残業時間を開示した756社が対象。中でも残業時間が少ない会社を100社を紹介する。

1位はバイタルケーエスケーHD


ランキング1位は月残業時間ゼロの医療用医薬品卸、バイタルケーエスケー・ホールディングス(HD)だ。具体的な残業削減の取り組みなどの開示はなかったが、年間総労働時間は1844.5時間と少ない。ちなみにこの労働時間を1カ月あたりで計算すると153.7時間。勤務日数が20日とすれば、1日当たり7.69時間となる。もともと残業がない職場なので、残業削減の取り組みは不要なのかもしれない。

2位はゼラチン、コラーゲン、化粧品などが主力のニッピで、残業1.0時間である。毎週木曜日をノー残業デーとするなど残業削減の取り組みを実施している。同社も年間総労働時間は1864.6時間で、バイタルケーエスケーと同水準。育児・介護向けの短時間勤務制度などの各種制度も充実している。

3位は半導体や機器の専門商社、伯東で1.3時間。ノー残業デーの実施などで残業時間を削減。一部の職種での在宅勤務トライアルや、研究職の裁量労働制度といった働き方の改革も進めている。

4位は紙・パルプ用のフエルトを製造する日本フエルトと、化粧品や健康食品の通信販売を展開するフォーシーズホールディングスが1.4時間で並んだ。以下、6位ハーバー研究所1.7時間、7位日本ケミファ2.1時間、8位クラスターテクノロジー2.2時間、9位東京ソワール2.3時間、10位IDEC2.4時間と続く。

残業5時間以内は31位マルタイ三越伊勢丹HD日本新薬札幌臨床検査センターの4社(5.0時間)まで。99位ヤクルト本社ヱスビー食品イオン東京海上HDの4社でも8.9時間と、上位100社でも月10時間に満たない。

繊維製品、保険、医薬品が残業少ない業種

全756社の残業平均値も18.6時間で、1カ月20日間働くとすると、1日の残業時間は1時間未満だ。一見「長時間残業」とは無縁の職場ばかりのように見える。ただ、業種別に見ていくと、残業が多い業種はまだ存在する。

ランキング対象企業が10社以上存在する業種で、最も残業時間が多かったのは、建設業の31.1時間(48社)。続いて、輸送用機器24.0時間(45社)、情報・通信業22.1時間(51社)などだった。

一方、低いのは、繊維製品8.9時間(17社)、保険業9.1時間(11社)、医薬品9.8時間(23社)、化学14.4時間(69社)といったところ。依然、業種によるバラつきはある。

就活で希望する業界がある程度決まっているのであれば、こうした業種平均値を参考にするといいだろう。志望企業の残業時間が平均値と比較して多いか少ないかは「業種内での働きやすさ」の判断基準になる。6月に発行した『CSR企業白書』2017年版には、昨年の業種平均値を掲載しているのでご覧いただきたい(2018年版は2017年4月に発行予定)。

ワーク・ライフ・バランスが重視されるなか、残業時間の少ない会社に注目する学生は多い。自分のやりたい仕事が行える環境で、さらにそうした会社であれば理想的だ。『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』を活用して、ぜひ理想の会社を見つけていただきたい。