「全てを想定内にする」 浦和GK西川、タイトルへの道は「立ち上がりの15分」にあり

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第1戦で好セーブ連発の守護神は無失点にトライ「自分が入れられなければタイトル」

 浦和レッズの最後方に構える“笑顔の守護神”は、「立ち上がりの15分」の重要性を繰り返した。

 25日に行われるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦のアル・ヒラル(サウジアラビア)戦を前に、GK西川周作は「全てを想定内にする」と準備の哲学を語った。

 西川は今季前半、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督から名指しで低調なパフォーマンスを指摘され、悔しいメンバー落ちを味わった。それでもシーズンが進むなかでブレない精神と状態を立て直すと、11月の欧州遠征で代表復帰。上り調子で迎えた18日の敵地初戦でもファインセーブを連発し、浦和がアウェーゴールの優位性を持つ1-1の引き分けで乗り切る大きな力になった。

 上昇気流に乗っている西川だが、決戦を前に浮かれた表情はない。無失点であれば無条件でタイトル獲得が決まる試合において、ゲームのポイントを立ち上がりに求めた。

「ちょっとしたミスが命取りになるゲームですから、まずは立ち上がりの15分に集中したい。自分が(ゴールを)入れられなければタイトルですから、そこにトライしたいです。ホーム&アウェーのギリギリの戦いを勝ち抜いてきたからこその決勝なので、想像以上のことが起こっても慌てないことですよね。ただ、まずは何があっても想定内にしておくことです。1-1で終わればPK戦になることだってありますけど、入りの15分さえ良ければ、チームが一気にポジティブになるはずです」

「努力が報われると信じて戦いたい」

 アル・ヒラルの立場からは、少なくとも1得点しなければ優勝の可能性がない。だからこそ、試合開始から圧力を掛けてくる展開も予想される。様々な状況をシミュレートし、全てが“想定内”であるように準備をすることで、GKに最も大切な平常心を保てる。

 西川は個人としては代表落選からの復帰があり、チームとしてはサンフレッチェ広島時代から指導を受けたミハイロ・ペトロヴィッチ監督がシーズン途中で交代になるという出来事もあった。そうした激動のシーズンの“クライマックス”だからこそ、有終の美を飾りたい思いは強い。

「今シーズンは良いことも、悪いこともたくさんありましたけど、1年を良い形で終われるようにイメージしています。その悔しい思いも、チームのみんなでしたこと。努力が報われると信じて戦いたい。(リーグ5位以下により)来年のACLに出られない寂しさはありますけど、必ずこの舞台に戻ってきたいんです。だからこそ、今年はクラブワールドカップに出場したい」

 タイトルを争うビッグゲームでは、必ずGKのプレーが勝敗を分ける瞬間が訪れる。第1戦でチームのピンチを救う活躍を見せた西川には、第2戦でも“スーパーセーブ”を披露することが求められるだろう。だからこそ、そのプレーを導くのは平常心と準備だ。試合に向けて静かな闘志を高める守護神は、試合後にトレードマークの笑顔を弾けさせるつもりだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images