7回目となる今大会には、2日間で過去最高の1500名もの観客が集まった。

写真拡大

 病気や事故で手足を切断した選手が松葉杖をついてプレーする、第7回日本アンプティサッカー選手権大会が11月11日・12日に、神奈川県川崎市の富士通スタジアム川崎で行なわれた。
 
 アンプティサッカーは、日本では2010年に始まった障がい者スポーツで、全国に9チーム、100名ほどの選手がおり、今大会には88名がエントリーした。この大会の魅力は参加者の多様性にある。一般的にスポーツでは性別で分かれて行なわれたり、障がい者スポーツではその障がいの種類や部位によって分けられているが、アンプティサッカーは性別や年齢、障がいの度合いに関わらず、皆で一つのボールを追いかける。
 
 今回は、各チームに選手が増えたこともあり、単独チームが5チームと合同チームが2チームでの開催となった。決勝では、延長戦でも決着がつかず、PK戦の末、FC九州バイラオールが3度目の優勝を飾った。
 
 中学2年生の関西セッチエストレーラスの近藤碧選手は12才の時に事故で左足を失い、コーチに勧められてアンプティサッカーを始めて2ヵ月。初めて参加した大会では4試合に出場し、4得点と大活躍。新人賞も獲得した。「体格が違う大人とプレーすることの怖さはありますが、大人を抜き去る快感もある。自信になるし、将来は日本代表になりたい」と熱い思いを語ってくれた。
 
 日本アンプティサッカー協会の最高顧問を務めるセルジオ越後氏はグランドでプレーする選手たちを見ながら、「彼らは障がい者じゃないんです。社会が彼らを障がい者にしているんです。日本では障がい者をかわいそうだと言う。でも、もっと対等に、目を見て付き合うことで、社会が変わっていくきっかけになる。この試合を見ても、大人も子どもも女性もいる。ただの試合じゃない。本来つくらないといけない社会のモデルがここにあると思っています」と話した。
 
 競技としての楽しさと社会的な意味を持ったアンプティサッカー。今まで以上に多様性を見せたアンプティサッカーが持つ可能性は将来に開けている。延べ1500名も訪れた観客の多さも、その事実を物語っている。