血管は、単なる細い管だと思っているのでは? 意外と知られていないけれど、血管は3層構造になっていて内膜には「血管内皮細胞」があり、血圧や血液の状態をコントロール。良質な血液を全身に届けようと緻密に形成された血管。しなやかかつ、内面がなめらかな「血管力」のある状態であることが、老けない体には不可欠だ。

「嬉しいことに、20〜30代の女性の血管は女性ホルモンに守られていて、特にケアをしなくてもいい状態をキープしやすい。でも、せっかくいい血管を持っているのに、血液を巡らせる力が圧倒的にない人が多い。若いからといって油断せず、血液を巡らせる“血管力”をつけましょう」(医学博士・池谷敏郎先生)

血管力とは、血管全体がしなやかで、血管の内壁はなめらか。さらに、血液を全身に巡らせる力があること。血管力があるほど、健康な体をキープできる。

【こんな症状は、血管力の衰えかも?】冷え症だ肩こりが辛い肌あれが気になる髪の毛がぱさついている腰が痛い

血管が硬くなったり細くなったりすると、血流が悪くなり、肌や髪などを作る栄養素も行き渡らない。

「血管の状態は体調に顕著に表れますよ」

そこでここでは、血管の巡らせ力をアップさせるアイデアをご紹介。

【いますぐ、筋肉の量を増やそう!】血液を巡らせるポンプ役になるのが「筋肉」。「筋肉量を増やすためのポイントは、全身の筋肉の約60%が集まる下半身を鍛えること。特に、ふくらはぎの筋肉をつけると血液を巡らせる力がつきます」。また筋肉を作る上で欠かせないタンパク質は女性に不足しがちな栄養素。タンパク質はアミノ酸まで分解され、必要に応じてそこからコラーゲンを作り、筋肉だけでなく血管や骨の形成にも使われる。コラーゲンを体内で増やせる体を目指して。

【生活習慣を見直し、心も整えよう。】動脈は自律神経によってコントロールされているため、疲れやストレスなどで自律神経が乱れると、硬くなってしまい血液が全身に巡りにくくなる。「大切なのはストレスをちゃんと発散させること。リラックスしてもストレスは一時的に忘れているだけなのでご注意を」。規則正しい生活をすれば血管は老けにくくなり、冷え症改善やダイエット効果も出やすくなるそう。全身の修復機能を高めるために、睡眠時間もきちんと確保して。

1日3回、ゆらゆらゾンビ体操。

池谷先生イチオシのメソッドが「ゾンビ体操」。その場でジョギングをしながら両手をブラブラ揺らすだけ! 1日に3回行うとウォーキングを30分間と同じ運動効果があるそう。「上半身は“イヤイヤ”の動きでストレス解消、下半身は筋肉を刺激し適度な筋肉をつけてくれる一石二鳥の体操です」。また、血流が良くなるので、血管自体も活性化しNO(一酸化窒素)も分泌。自宅で気軽にできるので、1日3回を目標に続けてみて。

肩、腕、指先も力を抜き、ゾンビの動きを意識して手を振る。脚はその場で軽くジョギング。1分続けて30秒ウォーキング、を3回繰り返す。

しながら「カーフレイズ」。

「カーフレイズ」とは、かかとを上げ下げしてふくらはぎの筋肉を鍛える筋トレのこと。ふくらはぎは、血液を全身に送る「第二の心臓」ともいわれる重要な部位。「ふくらはぎの筋肉はふだんの生活では鍛えにくいんです。つま先を上げた状態で、ふくらはぎをつかんでみてプヨプヨしていたら筋肉が少ない証拠。冷えやむくみにもつながってしまいます」。テレビを見るときなど“ながら”でできるので無理せず気軽に続けて。

(1)ゆっくりかかとを上げ、つま先で立つ。

(2)ゆっくり下ろす。これを1〜2分繰り返す。(2)でかかとをつけつつ、つま先を上げると効き目UP。

泣ける映画をひたすら観よう。

ストレスが溜まると、交感神経が優勢になり自律神経のバランスが乱れ、血管がきゅっと収縮して血流がダウン。池谷先生がおすすめするストレス発散法は「泣くこと」。「涙といっしょにコルチゾールと呼ばれるストレス物質が排出され気分がスッキリしますよ。私も週末に泣ける映画を観て一人で泣いたりしています」。涙を出し終わると、副交感神経へとスイッチが切り替わり、リラックスモードに入るのも涙活のメリット。

涙活でリラックス効果が得られると血行も良くなり、代謝もアップ。もちろん、映画のほかに本や音楽など感情を揺さぶられるものなら何でもOK。

池谷敏郎先生 医学博士。池谷医院院長。血管、血液、心臓などの内・循環器科が専門の“血管の名医”。著書に『「血管を鍛える」と超健康になる!』(三笠書房)など。

ギャザーカットソー¥7,300 ムーンレギンス¥8,300(共にエミ ヨガ/エミニュウマン新宿店 TEL:03・6380・1018)

※『anan』2017年11月29日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・高松由佳 モデル・麻絵 イラスト・吉田トキオ 取材、文・齋藤春菜

(by anan編集部)