鳥栖は堅守を披露して勝ち切った。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ32節]鳥栖2-1FC東京/11月18日(土)/ベアスタ

 鳥栖のクラブ創設20周年として行なわれた32節のFC東京戦。選手たちは、この特別な試合のためにデザインされたユニホームを着用して試合に臨んだ。選手たちだけではない。来場者に同じデザインのレプリカを配布して、鳥栖に関わるすべての人が気持ちを同じくしてこの試合に臨んだ。
 
 鳥栖一筋9年目を迎えるFW池田圭は「この20年でいろんなことがあったかもしれないが、クラブ環境が整った今、僕たちが結果を出さないといけない」と手綱を締めていた。
 
 相手のFC東京は、前節まで5試合勝利がない。11位と不本意なシーズンを過ごしているだけに、アウェーとはいえ結果が求められる一戦である。
 
「前半は、戦術的にもスコア的にも良い戦いを見せていた」とマッシモ・フィッカデンティ監督(鳥栖)が言い、安間貴義監督(FC東京)も「あれだけDFの裏を取られるとフィッカデンティ監督は嫌だったのではないか」と振り返っていた。フィッカデンティ監督のもとで指導にあたっていた安間監督だからこそ、相手の狙いを分かったうえで、パス主体で相手を惑わせ、一気に最終ラインの背後を狙うサッカーで挑んだのであろう。
 
 結論から言うと、鳥栖は前半のうちに2点を奪った。原川力の見事なFKと、FC東京の連係ミスを突いて奪ったボールからのカウンターである。
 
 2点を連取して優位に戦えたフィッカデンティ監督と、崩されての失点ではなかったことで、ある程度の戦い方はできたとの評価を下した安間監督。先のコメントには、お互いのサッカー観を垣間見ることができる。
 
 確かに、FC東京は長短のパスでボールをつなぎながら鳥栖ゴールに迫るシーンが多く、終わってみると鳥栖の6本のシュートに対してFC東京は11本を放っている。
 
 決定機もFC東京のほうが多かった。ファーストシュートチャンスで先制した鳥栖が、少ないチャンスを確実に決めて試合を終えたのに対して、FC東京は狙い通りにボールは動かせたものの、最後のところで決めきれなかったということだ。“たられば”は禁物だが、FC東京のピーター・ウカタが数本あった決定機のうち1本でも決めていれば、結果は変わっていたかもしれない。
 
 鳥栖は持ち前の球際の強さとしっかりとしたブロックで相手の攻撃を跳ね返す自信があるのだろう。今節も、60分以降はDF青木剛を入れて5バックにして攻撃をしのいでいる。終了間際に簡単なミスから大久保嘉人に決められてしまったが、組織的なディフェンスは90分間に渡って機能していた。想定通りの勝利だったのではないだろうか。

 勝った鳥栖のパフォーマンスはもちろん、敗れたFC東京も戦術的意図を表現できていた。策士である両監督の采配は見応えがあり、次節以降に期待したくなる戦いだった。

取材・文:サカクラゲン(サッカージャーナリスト)

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