須本光希、西日本ジュニア選手権でのショートプログラムの演技

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今週末、群馬県前橋市で開催される全日本ジュニア選手権、ジュニア男子も期待の選手が数多く出場する。まずは西日本の選手から紹介したい。

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■ ファイナルに向け、トリプルアクセルの感覚を取り戻したい、須本光希

日本のジュニア男子勢で唯一のファイナル出場を決めた須本光希だが、西日本選手権の頃は深刻なスランプに陥っていたようだ。

「JGPクロアチア大会が終わってから、アクセルが跳べない状態になりました」

この時期にスランプとは痛過ぎる。「降りることが想像できないほど崩れている」というほど、トリプルアクセルの感覚を失ってしまったのだそうだ。また、アクセルの練習に必死になったため、他の要素が疎かになったこともパフォーマンスに影響しているとのこと。ただ、これだけの不調の中、フリー演技ではトリプルアクセルも着氷、ほぼノーミスの演技で見事に立て直すことができた。国内でトリプルアクセルを降りたのは8月のサマーカップ以来だという。

「ファイナルではフリーでのトリプルアクセルを2本にしたい。それに向けて調子を上げていきたいです」

全日本ジュニアに加え、ファイナルでも調子のピークを作らなければならないのは負担になるだろうが、去年よりさらに上達した美しいスケーティングで、観客を魅了してくれることだろう。

■ 全中での優勝以来、会心の演技!山隈太一朗

2年前、全国中学校大会で優勝したシーズンは充実していた。だがその後、一気に背が伸びたこともありジャンプが崩れ、昨シーズンは思うような結果を残せずにいた。今年は夏にアメリカへ単身、武者修行に赴いたことが大きな効果を生んだようだ。

「アンソニー・リュウの下で、3週間ほど練習しました。色んなことを学びました。あれがなかったら今、ジャパンジャージも着れていないと思います」

JGPオーストラリア大会で悔しい結果に終わったが、そこからはとても良い練習が積めているという。

西日本選手権ではショートプログラムから良い演技ができた。ショートでトリプルアクセルが決まったのは初めてだという。そして1位で迎えたフリー演技。ミスがあり須本光希に逆転を許したものの、力が付いたことを証明する演技だった。

「今の練習が間違っていないことを確認できました。全日本ジュニアでは優勝を目指して頑張りたい」

昨年も夏場から全日本ジュニアでの優勝を目指すと公言していた。しかし状態が上がらず、有言実行とはいかなかったのだ。その点、今年は実際に優勝を狙える位置につけている。スランプを抜け出し、再び脚光を浴びるポジションに戻れそうな勢いだが、

「まだ活躍しているとは言えません。浮かれるのは早い。今季が終わった後に、結果が残せた、と思えるように頑張ります」

と気を引き締めていた。高校生になって崩れたのは、背が伸びて、体幹などが体格に追いついていない印象があったが、

「今は体のバランスが非常に良くなって、動きやすいと感じています。色んなところが追い付いてきました」

彼のフリープログラムも“ララ・ランド”。盛り上がる出来栄えに仕上がっている。全日本ジュニアでも観客を大いに沸かせてくれそうだ。

■ 持ち前の美しいスケートを披露できるか、木科雄登

昨年の西日本選手権では、トリプルアクセルなどの大技を回避しての優勝だった。しかし今年は、積極的に大技にも取り組んでいる。そのことがプログラムをこなす上で負担にもなっているようだが、これは避けては通れない課題だ。

「ジュニアグランプリを2戦終えてから、練習でトリプルアクセルが入るようになってきました」

今季、アジアントロフィーでは自分の演技ができなくて悔しい思いをし、そこから修正を進めているのだそうだが、まだ満足の行く演技はできていないという。

フリー演技、“海の上のピアニスト”ではトリプルアクセルで転倒をしてしまった。

「それよりも、次のジャンプで立て直せずにミスを続けてしまったことが全体に響いたと思います」

と、西日本の演技は満足の行くものではなかったのだが、その実力は高い。持ち前の美しいスケートを披露し、全日本ジュニアでも表彰台に立つことを期待したい。

■ 怪我はすっかり回復、逆襲を期待!三宅星南

オフに負った怪我はほぼ回復し、痛みもほとんどないという。西日本選手権では、練習では跳べていなかったトリプルアクセルを本番で決めることができた。怪我明けの復帰戦なので、長光コーチとも「通過を目指してやろう」と話していたという。

ショートプログラムの曲は“キャラバン”。同じ曲を使った高橋大輔のエキジビションを何度も観て研究したという。また、高橋大輔自身にもアドバイスをしてもらっているそうで、「主に姿勢の悪さを指摘される」とのこと。

長光チームに来て以来、技術面、メンタル面、両方で改善されたように感じる。以前は緊張がひどく、メンタル面で余裕がなかったのだが、ずいぶんと変わった。

「ジャンプは本田武史先生が細かく指導してくれます。失敗したときでも長光先生は前向きなアドバイスをしてくれます」

身長が高くなり、一目見て分かるほど、スタイルが良くなった。今は171cmぐらいとのこと。ジャンプへの悪影響などはなく、表現が豊かになるなど良い方向に働いているようだ。

■ 目標とする世界ジュニア出場に向け、立て直しに期待したい、壷井達也

西日本選手権では、挑戦する意味もあったのだろうが、ショートプログラムでの3ループ+3ループ、そしてフリープログラムでのトリプルアクセルなど、完成度の低いエレメンツを入れたことで苦労している様子だった。もっともこれらは、今季の目標とする世界ジュニアを見据えてのこと。トリプルアクセルは練習でもまだクリーンには降りられていないという。本人は挑戦したい気持ちが強いようだが、全日本ジュニアでは回避する可能性もありそうだ。持ち味のスケーティングも、この試合では全体的にスピードがなく、あまり良い印象ではなかった。構成の難度を一気に上げたことが響いているようだ。全日本ジュニアでの立て直しに期待したい。

■ ブロック大会から一変!各段に良くなっている、片伊勢武

今季の序盤は調子が上がらなかったが、良化の兆しがはっきり見えた西日本選手権の演技だった。

「練習から毎日ノーミスをして、自信を貯金していく、ということを心掛けてきました。試合の1週間前になったらノーミスで練習する、ということをいつも目標に掲げているが、この試合前にはそれができたことが自信につながりました」

充実した練習を積めているようだ。ジュニア初年度でどこまでのアピールができるか、期待したい。

■ もちろん優勝候補!久し振りの日本での試合に臨む、島田高志郎

今季からステファン・ランビエールに師事、練習拠点をスイスに移したため、なかなか取材する機会がないのだが、全日本ジュニアでは久し振りに日本での大会に臨む。もちろん優勝候補だろう。国内組との対決が楽しみだ。

【東海ウォーカー】(東海ウォーカー・中村康一(Image Works))