先行して始まった「電気溶接」職種(豊田自動織機の片岡滉選手)

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「第55回技能五輪全国大会」の全競技が、栃木県で24日に開幕した。23歳以下(一部競技を除く)の若手技能者1337人が参加し、42職種で熱戦を繰り広げる。27日の閉会式で競技結果が発表される。

 栃木県での開催は初めて。今大会から移動式ロボット職種が新たに加わるなど競技の幅が広がった。

 先行して始まった「電気溶接」職種では、4時間25分の競技時間内に各種溶接技術を駆使して五つの課題をこなした。収縮度合いが異なる素材を、寸法精度を高く溶接する技が求められる。選手は寸法誤差1・0ミリメートル以下と高精度を目指して火花を散らす。競技責任者の藤井信之主査は「課題の難易度は上がっている」とし、選手の健闘に期待する。会場はマロニエプラザ(宇都宮市)など栃木県内の17施設。
2017年11月24日

技能五輪の誘致も「政治力」がカギ?
 2016年の技能五輪全国大会・全国障害者技能競技大会(アビリンピック)の開催地をめぐる山形、栃木両県の誘致合戦の決着が当初の10月末から11月以降へと延期になった。現地調査で、会場が狭いなどの改善点が両県で判明。栃木が追加した会場など各県の対応策の精査が必要なためだ。さらに、複数の自治体が立候補する初の事態の中、「ともに地元で開きたい気持ちが強い」(厚生労働省職業能力開発局)ことから主催者側は慎重に選考を進めている。

 厚生労働省は当初、山形県と栃木県の8月の立候補を受け、開催地を10月中に決める予定だった。ただ、技能五輪全国大会とアビリンピックを主催する中央職業能力開発協会と高齢・障害・求職者雇用支援機構の担当者が、8、9月に両県の競技会場を調査した結果、会場が狭いなどの改善点が浮上。これを受け両県は対応策を開催地選考に関する第1回検討会に提示した。

 栃木はアビリンピックの会場に栃木県体育館(宇都宮市)を追加した。当初計画では、いずれも宇都宮市にあるマロニエプラザ、宇都宮市体育館、県央産業技術専門校の3会場だったが、会場の広さと利便性に課題があると指摘を受けたため、専門校の代わりに県体育館を使うことにした。

 山形は現地調査を受けて、厚生労働省などに競技スペース不足などの指摘事項に対する改善策を説明。指摘事項について「すべてクリアした」(県商工労働観光部雇用対策課)。アビリンピックについては現地調査での指摘事項はなかった。

 両県の誘致への意気込みはますます強まる。厚労省への担当者訪問はもちろん、栃木県では福田富一知事が「開催地の決定については政治的な意味合いが高い」「栃木県も何らかの対応をしていかなければならない」と民主党幹事長室を訪問するなど、トップセールスを展開。「何としても栃木で決めてほしい」とする。

 山形は、吉村美栄子県知事が山形大会実現に向けて東北6県知事の連名、トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)など計4通の要望書を西村智奈美厚生労働副大臣に提出した。実現すれば、技能五輪の選手育成に向けて東北6県とトヨタとの連携を視野に入れる。また、一段の要望活動を検討する構えだ。
※肩書きは当時
日刊工業新聞2012年10月23日

16年は山形県に決定、栃木県は再挑戦
 栃木県は2017年の技能五輪全国大会と全国アビリンピックの開催地に立候補すると発表した。栃木県は12年に16年大会に立候補したが、山形県での開催が決まった経緯がある。

 県庁で会見した福田富一知事は「技能を尊重する機運の醸成や障害者の雇用促進、モノづくりの裾野拡大に極めて有意義だ。開催が決定した場合は積極的にイベントを併催して“オールとちぎ”体制で盛り上げたい」と意気込んだ。ホンダエンジニアリングや日立アプライアンスなど県内に拠点がある企業や、県技能士会連合会から早期の開催要請があったと明かした上で「国際大会の予選を兼ねた(偶数年)大会を誘致したかったが、昨年の誘致活動で機運が盛り上がっている」と連続立候補の理由を説明した。
日刊工業新聞2013年7月18日