撮影●諸井純二

写真拡大

毎話、涙と感動を誘う医療ヒューマンドラマ「コウノドリ」(TBS系)のシーズン2が中盤に入り、いよいよ見逃せない展開に。今回のリレー連載には、ベテラン助産師・小松留美子役の吉田羊が登場。いつも明るく頼れる存在の小松を演じる吉田に、役の魅力から共演者のマル秘エピソードまで直撃!

【写真を見る】「見る方も演じる方も体力の要るお話」と吉田が言う第7話/(C)TBS

■ 日本にはいい女優さんがいっぱいいるなと思います

―シーズン2が中盤まで進んでいますが、2の台本を最初に読んだ感想を教えてください。

この2年間でそれぞれの役が経てきた時間を感じられるような始まりで、今回は妊娠出産がゴールじゃなくてスタート、そこから続いていく現実を描いているので、作品世界も深くなっていると感じました。台本を読むとすごく泣けちゃうんですけど、そこが小松さんとしての課題かなと思っています。経験豊富でいろんな妊婦さんを見てきた小松さんは、そんなにめそめそしないと思うんですよね。だから常に客観性をもって演じられるようにと意識していますが、難しいです。現場でゲストの女優さんを見ると泣けてきそうになるので、必死で堪えて。泣いちゃいけないシーンは、台本を何回も読んで泣き尽くして、涙を枯らしてから現場に入るようにしています(笑)。

―ドラマが始まる前の記者会見で、ゲストの女優さんたちがすてきだという話をされていましたね。

ゲストの皆さんは本当に素晴らしくて、お芝居をしないんですよね、語弊を恐れずに言うなら。役そのもので存在してらっしゃって、出産シーンや赤ちゃんを初めて見た瞬間の表情など、「みんな、赤ちゃんを産んだことあるの?」っていうくらいのリアリティーがあるんです。日本にはいい女優さんがいっぱいいるなって思いますね。中でも高橋メアリージュンちゃんは、以前「純と愛」(NHK総合ほか)でご一緒したときに共演シーンがあまりなくて、遠目で見ていて、役として無理なく素直に存在しているすてきな女優さんと思っていたんです。今回、彼女のお芝居を目の当たりにして、本当に心が震えました。芸歴や年齢に関係なく、こういうお芝居ができるようになりたいなって。ジュンちゃんも「サクラ先生(綾野剛)や小松さんとお芝居をしていると、本当に包み込まれる感じがして泣いてしまいます」と言ってくれて、お互いに心を震わせて感じ合えるお芝居ができる現場なんだなと改めて思いましたね。

■ 信頼し合える仲間やスタッフ陣とよりよい作品を目指して

――先日、綾野さんにインタビューして、作品や撮影現場に対する真摯な姿勢と熱い思いを感じたのですが、綾野さんと共演して、あらためてどのように思われていますか?

綾野さんは「フィクションを作る自分たちに嘘がないこと」をとても大事にされていて、例えば、台本の文字上では成立していても実際に動いてみると違和感があったりするときの役者の気持ち悪さを敏感に感じ取ってくださいます。すかさず「羊ちゃん、大丈夫?」と声を掛けてくれて、先に監督さんに話してアシストしてくださるんです。もちろん撮影にはタイムリミットがありますけど、役者とスタッフさんたちがぎりぎりまでディスカッションして、よりいいものを作りたいと言い合える貴重な現場だと思いますし、本当にお芝居を愛されている綾野さんの座組だからこそ、それが叶っているなと思います。そして、たとえ撮影が止まっても、きちんとクリアにして最終話まで演じていきたいな、と。気持ち悪いままお芝居したら視聴者の皆さんに伝わりますし、きちんとクリアにしていかないと太刀打ちできない、妥協して簡単にやってはいけないエピソードばかりですから。綾野さんを信じて、共演者の皆さんもお互いに信頼して響き合える仲間たちなので、そこは期待してくださっていいと思います。

―撮影の合間は、どのように過ごすことが多いですか?

坂口(健太郎)くんがいるときは、彼がよく鼻歌を歌っているので、たいがい鼻歌合戦をやっています(笑)。先日、私が「愛しちゃったのよ〜♪」と歌っていたんですが、普通は「ラララーンラン♪」という合いの手が続くじゃないですか。でもオリジナルの合いの手を鼻歌で入れてきて、すごく歌いづらくて(笑)。しばらく我慢してたんだけど、「坂口くん、ちょっと気持ち悪い」とやめさせました(笑)。あとはモノマネ大会、ですかね。坂口くんが「羊さん、僕、板東英二さんのモノマネができるんです」とか言ってモノマネを急にぶっこんでくるので、「じゃあ、やって」とか(笑)。基本的には、みんなで和気あいあいと過ごしていますが、お産のシーンの前は一人で力を温存していることが多いかな。お産のシーンは助産師も結構体力を使うんです。だから力を抜いて、エコモードで体力を蓄電してから本番に臨んでいます。

■ プライベートでも小松さんと一緒に生きています

―7話(11/24放送)は小松さんがメインの回になります。6話の台本を読んで、ラストで小松さんが倒れたことに驚いたんですが、どんな展開になりますか?

小松さんが女性としての転機となる身体の変化を受け入れて乗り越えていく、視る方も演る方もかなり体力の要るお話になると思います。でも、小松さんはどこか完璧で安心感のある人ですけど、その小松さんが不安定になる瞬間を見て、この人も人間なんだなと思ってもらうお話にしたいと思っています。妊婦さんの一番近くで関わっている人でさえ、女性としての身体の変化に直面したときに、これほど揺れ動いてもがくものなんだ、と。小松さんの闘いっぷりが、同じ境遇の方々のせめてもの拠り所になったり、女性としての幸せを模索する方々の希望や勇気になったらいいなと願いつつ演じます。女性なら誰にでも起こりうる身体の変化なので、このドラマの世界を自分のこととして見ていただけるんじゃないかと思います。

―シーズン2で大きな変化を迎えて乗り越えていく小松さんですが、1から変わらない良さはどういうところですか?

真剣だけど深刻にならない、ということかな。時々、絶望的な状況もありますけど、そんな中でも小松さんは、何かしら光を見つけて、その患者さんなりの救いを些少でも見つけたいと思っている人のような気がします。常にそういうものを探して前向きな人でありたいなと思いますね。ところで最近、この作品に限らず、プライベートでもわざと役を引きずることが多いんです。あえて役を抜かずに、そのまま過ごす方が居心地がいいというか。特に小松さんは愛情にあふれた方で平和でいられますから、私自身も小松さんのように常に前向きに物事を捉えていきたいので今作が終わるまで小松さんと一緒に生きていくつもりです。(ザテレビジョン)