戦争や紛争などで軍事的対立が繰り広げられている地域では、地面に埋め込まれた地雷を踏むことによる被害が続出しています。これは自動車に乗っている場合でも同様で、車もろとも吹き飛ばされて多くの兵士が命を落しています。人々の命を守るためにイギリスの企業が開発した新装置は、下から突き上げられる地雷による衝撃を、なんと車両の上に装備したロケットブースターを強力噴射することで押さえつけ、衝撃を相殺するという実に力技なものとなっています。

Rocket-powered Land Rovers can survive deadly roadside bombs | New Scientist

https://www.newscientist.com/article/2153802-rocket-powered-land-rovers-can-survive-deadly-roadside-bombs/

この装置は、イギリスの軍事関連企業Advanced Blast and Ballistic Systems(ABBS)が開発したもの。実際に効果を検証した以下のムービーでは、なかなかに驚きの光景が収められています。

Rocket-powered Land Rovers can survive deadly roadside bombs - YouTube

地雷によって兵士が命を落とす場合、その原因は爆風そのものによるものではありません。下から突き上げられた車両が跳ね上がるときに急激な加速度を受け、体内の神経や血管が損傷してしまうことで、致死傷に至ってしまうというのが実情です。



その現象を軽減するためにABBSが開発したのが、屋根にロケットブースターを取り付けて車体を強制的に押さえつけることで跳ね上がりを防止しようという装置です。



このシステムでは、まず車両の床下に取り付けたセンサーが地雷の爆破を検知。この床面は爆発の衝撃に耐えられるように補強されています。



センサーが爆発を検知したら、1000分の3秒以内に車両の屋根部分に取り付けられた50個の固体ロケットブースターが一斉に噴射。車体を下向きに押しつける力を生みだすことで、車両が吹っ飛ぶことを防止しようという仕組みです。



ABBSでは、ロケットブースターの有無でどの程度の差が生じるのかを検証しています。まずは、ロケットブースターを装着しないランドローバーの下で地雷を炸裂させると……



なんと6kgの地雷の爆発によって、ランドローバーは5メートルも跳ね上がりました。もちろん車体はほぼバラバラの状態。



一方、ロケットブースター付きのランドローバーの場合は……



地雷炸裂の瞬間、上向きにまばゆい炎が立ち上がります。



土煙が収まると、なんとそこにはほぼ無傷のランドローバーの姿が。



爆破後も車体は原形を留めており、なんとドアを元どおり閉めることも可能なレベルだとのこと。それにしても、上下から強い力で挟まれたにもかかわらず、座布団のようにぺっちゃんこになってしまわない車体の強靱さにも目を奪われます。



車両単体でみるとかなりの効果が期待できそうなABBSの防御システムというわけでした。今後はさらに開発が進められ、内部にいる人や物資への影響がどの程度出るのか、そのあたりが確認されてから実戦配備の可否が判断されることになりそうです。