ひらめきが要る時は「この4つ」をやるといい

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良いアイデアを出したいのに、いくらえんえんとうなってもなかなか降りてこないという経験はないだろうか?いままさにそんな苦労をしている最中の人もいるかもしれない。しかし、じつは「ひらめく」には最も合理的な方法がある。『天才の閃きを科学的に起こす超、思考法』では、そんな「ひらめき」を起こす合理的なステップが説かれている。世界でも屈指の難関コロンビア大学のMBAコースとエグゼクティブコースで大人気の授業の内容だ。本連載では、そんな貴重なノウハウを本書から特別公開する。

ひらめくには「4つのステップ」を踏む必要があった!

 ここでは第7感の働きを誰でも学べて実行できるステップに分割するために、ある領域に目を向けることにする(→「第7感」とは、最新の脳科学からわかった、人にひらめきをもたらす脳のパワーのこと。詳しくは本書を参照)。

 それは、軍事戦略だ。軍人や学者は長いあいだ、目の前の状況に対処するためのアイデアをひねりだそうとして頭を悩ませてきた。定義上、戦略はつねに新たな問題に対処しなければならない。戦略とは未来の行動を指し示すものであり、未来は必ず過去とは違うからだ。そのため戦略では、絶えず新しいアイデアが求められる。

 軍事戦略は、ビジネス戦略の原点である。「人生をどう生きるか」という現代人の人生戦略も、軍事戦略から生まれた。

 プロイセン王国の軍事学者カール・フォン・クラウゼヴィッツは、近代戦略研究の開祖とされている。その著書『戦争論』は、戦略をテーマにしたものとしては西洋でもっとも有名な書物として知られ、1832年の刊行から約2世紀が経過した現在でも、世界各地の書店で売られ、各国の大学や軍事学校で研究されている。

 当然ながら、クラウゼヴィッツは神経科学については何も知らなかった。だが、戦略的思考は4つの要素で形成されると考えた。これはまさに、本書が第7感を構成すると考える、以下の4つの要素と同じものだ。

・歴史の先例
・オープンマインド
・突然のひらめき
・決意

 各要素を順番に見てみよう。

第1ステップ:「歴史の先例」を集める

 1番目の「歴史の先例」は、ひらめきの材料になるものだ。ひらめきとは、先例(過去に人間が物事を成し遂げるためにしてきたこと)の組み合わせである。脳は先例を学び、記憶の倉庫に保管して、将来に備える。私たちはこれを、生まれた瞬間から無意識のうちに行っている。話す、食べる、歩く、服を着るなど、人間はたいていのことを他者の真似によって学んでいる。成長し、学習を積み重ねていくにつれて、引き出しのなかの先例は増えていく。それは、将来に独自のアイデアを生み出すための材料になる。

 スターバックスの会長ハワード・シュルツを例にとろう。ミラノでの最初の朝、イタリアのコーヒーバーでの体験は、「歴史の先例」としてシュルツの記憶に刻まれた。その夜、この先例を材料にして、スターバックスについての新しいアイデアが浮かんだ(シュルツのエピソードの詳細は本書の第2章を参照)。

 ただし、この先例が生んだのはアイデア全体ではなく、あくまでもその一部だ。シュルツは、「アメリカで、この店と同じようなイタリアンコーヒーバーを開こう」とは思わなかった。本格的なイタリアンコーヒーバーは、すでにアメリカ各地のイタリア人コミュニティに存在していた(そのほとんどはイタリア系アメリカ人が経営していた)。

 シュルツのひらめきの材料となったもう一つの先例は、スターバックスそのものだ。わずか6店舗ではあったものの、スターバックスはチェーン店だった。そして、本場イタリアのコーヒーバーが使っているのと同じ、上質のアラビカ豆を売っていた。

「イタリアのコーヒーバー」と「スターバックスのアラビカ豆チェーン」――この2つの先例がシュルツの頭のなかで新たに組み合わさり、「スターバックス・チェーンに、イタリアのコーヒーバー文化を取り入れる」というアイデアが生まれたのだ。

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