堀正岳『ライフハック大全 人生と仕事を変える小さな習慣250』(KADOKAWA)

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やるべきことが多すぎて、何から手を付ければいいのかわからない。そんな悩みを解決するのが「ToDoリスト(やることリスト)」です。「Lifehacking.jp」管理人の堀正岳さんは、「1枚の紙にタスクを書き出すだけで、頭を整理することができる」と説きます。ただし書き方には3つのポイントがあります――。(中編、全3回)

※以下は堀正岳『ライフハック大全 人生と仕事を変える小さな習慣250』(KADOKAWA)より抜粋、再構成したものです。

■To Doリストを作って仕事をラクにしよう

やるべきことをたくさん抱えていて混乱しそうなとき、1枚の紙に書き出すだけで頭を整理し、生産性を上げることができます。「ToDoリスト(やることリスト)」を作ることは、仕事をラクにすることなのです。

まだ仕事は片付いていないのに、それを書き出しただけでとたんに気持ちがラクになるのですが、その理由は私たちの脳が、複数のタスクを意識の中だけで管理するのが苦手だからです。気になることを書き出して客観視できるようにするだけで、頭脳にかかっていた負荷が減り、状況を整理する力が増すのです。

ToDoリストを作る際には、いくつかのポイントに注意すると、リストのなかに書かれた仕事をさらに実行しやすくなります。ToDoリストは未来の自分に向けてボールを投げるのに似ていますので、自分がそれを受け取りやすいように、上手に送球するわけです。

■よいToDoリストを作る3つのポイント

ToDoリストに入れる項目をそれぞれタスク(仕事・作業)と呼びます。よいToDoリストを作るためには、記入する時点でいくつかのポイントに従ってタスクを選別しておきましょう。

(1)「やるべきこと」と「できればいい」ことは分ける

ToDoリストに入れるものは必ず「やらなくてはいけないこと」に限定します。「可能ならばやる」「できればいいな」と思っていることは、別の場所に保存しましょう。というのも、こうした希望や願望を入れているうちに、ToDoリストは時間と集中力の限界を超えて、肥大化してしまうからです。「やらなくてはいけないこと」が「できればいいこと」に追い出されないように注意してください。

(2)優先度はつけない

ToDoリストに、特に重要なタスクを赤字で記入して、優先度を示そうとする場合があります。しかし、これにも注意が必要です。多くの人は、優先度をつけることによって「こんなに重要な仕事があるぞ」と自分にプレッシャーを与え、自分に鞭を入れるように片付けようとします。

しかし優先度マークをつけたからといって、それを実行する時間がなければ片付きません。優先するタスクの数が時間と集中力の残りと関係なく増えれば、結果的にストレスを生むだけです。

優先度はむしろ「最初にとりかかることで気持ちがラクになるタスク」といったように、仕事を進める上での力になるものに限定するほうがよいでしょう。

(3)ToDoリストを不安のリストにしない

おかしいと思われるかもしれませんが、多くのToDoリストにはそのままでは実行できない項目が含まれていることがあります。たとえば「◯◯のプロジェクトを進める」「A社の案件を片付ける」といったように、何を言っているのかはわかるのですが「進める」「片付ける」とは何なのか、明確ではない場合です。

これは、ToDoリストを、「気がかりになっている不安のリスト」にしてしまっているときによく陥る状態です。

こうしたときは、むしろその不安を逆手にとって、「◯◯部分のコーディングを仕上げてプロジェクトを進める」「Aさんに電話をかけて案件をクロージングする」といった具合に、何をすれば気がかりや心配から解放されるのかを書き出し、具体的なタスクに変えていきましょう。

■やらないことリストをつくっておく

「やるべきこと」を整理することと同じくらい重要なのが、「やらないこと」を明確にすることです。

1日の時間と集中力が有限である以上、歯を食いしばって努力しても達成できることには限界があります。むしろ「これはやらない」というものが多いほど、生産性の底上げが可能になります。つまり、

生産性=実行できる作業量−排除できる作業量

なのです。そのためにも、ふだんからルールとして「やらないこと」を決めておくことが重要なのです。

「やらないこと」とは、「ぼんやりとしない」「悩まない」といった曖昧なものではなく、むしろ「テレビを見ない」「関係のない会議に参加しない」といったように、時間を生み出せるものを選びます。

注意したいのは、これは「ストイックに生きよう」ということではない点です。たとえば、夜の飲み会とテレビを見ることを同時に実行できないようなときに、「自分はどちらを選ぶのか」といったように、自分の中の優先順位を立てておくことなのです。

「やらないことリスト」に入れるものの例を、以下に挙げます。

●発信者が不明の電話に応じない
●午前はメールに応じない
●無関係な会議に出席しない
●どんな席でも飲酒はしない
●ソーシャルメディアは午後になるまで見ない
●まとめサイトや、時間のムダと決めたサイトは開かない

■Doingリストで作業は加速する

1枚の紙を取り出して、真ん中に1本の線を縦に入れてください。これで、作業を加速する「Doingリスト」のできあがりです。

ToDoリストは書き出すだけで気持ちがラクになりますが、そこに並んでいるのは1アクションで実行可能なものばかりではありません。実際に作業をしているときには、粒度の小さいアクションを次々に実行してゆくリストを作るほうがスピードは上がります。それが「いまやっていること」だけを列挙したDoingリストです。

縦に引いた線の左側には、5〜15分で実行可能な、これから実行するアクションを列挙します。すでにあるToDoリストを見つめて、そこからアクションを振り出す感覚で作るのがよいでしょう。

このリストは寄り道せずに上から順に実行します。もし途中で別のタスクが割り込んできたなら、それは線の右側に書き留めてすぐに復帰します。こうしてリストを一番下まで実行したら、右側にメモしたタスクを取り込み新しいDoingリストを作ります。

こうしてアクションを次々に撃ち出す仕組みがDoingリストなのです。

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堀 正岳(ほり・まさたけ)
「Lifehacking.jp」管理人。研究者・ブロガー。北極における気候変動を研究するかたわら、ライフハック、IT、文具などをテーマとしたブログ「Lifehacking.jp」を運営。知的生産、仕事術、ソーシャルメディアなどについて著書多数。理学博士。

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(「Lifehacking.jp」管理人 堀 正岳)