人生100年時代の老後は長い 時事通信フォト

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 今や年金受給年齢“75歳”という数字まで見えてきた。国や会社を頼れない以上、個人でどうにかするしかない。大前研一氏は、定年後も「月15万円」稼ぎ出すことを目標とすべきだと提案する。

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 手っ取り早いのは不動産だ。土地・建物を所有していて容積率に余裕があったら、それを最大限に活用してテナントビルやアパートに建て替え、賃貸料を稼ぐことができる。ただし、その場合、自分で借金を背負ってはいけない。では、どうするか? ABS(アセット・バックト・セキュリティ)という手法で、銀行から建て替え資金を調達すればよい。

 ABSとは、建て替えた物件の将来の賃貸収入(キャッシュフロー)を担保にしてお金を借りる仕組みである。このため、自分で借金も個人保証もしなくて済む。

 たとえば、建て替えに6000万円かかり、それを20年で返済するとしよう。金利を無視した単純計算で年間300万円、月25万円ずつの返済とすれば、賃貸料が40万円入ってきたら、毎月15万円を稼ぐことができるわけだ。賃貸料40万円は、まず銀行の指定口座に振り込まれ、返済分の25万円を差し引いた15万円が本人の口座に入金される。これがABSのスキームだ。

 不動産を持っていない人も諦める必要はない。日本の住宅(別荘などを含む)の空き家数は820万戸、空き家率は全国平均13.5%に達している。つまり、7〜8戸に1戸が空き家なのである。しかも、別荘や地方の住宅なら、数百万円で買える物件が山ほどある。この中から条件の良い物件を見つけて購入し、ABSのスキームで改修後に貸し出せばよいのである。これは空いているものを活用して稼ぐ「アイドル・エコノミー」の典型例だ。

※SAPIO2017年11・12月号