識者が選ぶEAFF E−1サッカー選手権を戦う日本代表23人/河治良幸

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「12月に大会がありますが、そこに準備してほしい。ここで国内組からA代表に入るかの判断をする」とベルギー戦後にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が語ったように、ここまで代表に選ばれていない、あるいは定着していない国内組には最大にして最後のチャンスになるかもしれない。

 ベースの部分は欧州遠征で世界レベルでの日本の立ち位置を体感したメンバーが担うだろう。コンディションの善し悪しで逆転もありうるが、ここから選ばれる選手に期待されるのは現在の日本に足りない武器を加えること。もちろん“デュエル”(一対一の強さ)や攻守の切り替えといった指揮官が繰り返し強調してきたスタンダードをある程度クリアする必要はあるが、前回のアルジェリアで予選後に初招集されたリヤド・マフレズやナビル・ベンタレブがそうであったように、武器や個性が明確であるほど最終メンバーに割り込める可能性は高くなる。

 とはいえ、EAFA E−1サッカー選手権は最下位に終わった2年前のリベンジを目指す大会でもあり、勝つためのチームバランスも必要となる。その一部は山口蛍(セレッソ大阪)など常連の国内組でカバーできるが、すでに代表経験のあるベテラン選手などが入る余地もありそうだ。なお、AFCチャンピオンズリーグ・ファイナルへの期待も込めて、FIFAクラブワールドカップとスケジュールが重なる浦和レッズの選手は対象外とする。

▼GK
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)
権田修一(サガン鳥栖)

 E−1における正GKの第一候補は東口だ。欧州遠征の2試合では起用されなかったが、世界の厳しさを目の当たりにしたガンバの守護神は川崎フロンターレ戦で獅子奮迅の働きを見せ、終始劣勢だった試合で終盤まで0−0に持ち込んだ。10月のハイチ戦では最初の失点を「あれは何とかできたシーン」と自覚しており、再びチャンスを得れば同じ失敗を繰り返さない構えだ。その欧州遠征で選外だった中村もポテンシャルと伸びしろは代表スタッフからも期待されており、合宿のアピール次第では逆転も射程圏だ。もう1人が非常に難しいが、J復帰から状態を上げて来ている権田が有力。ただ、順当に行けば川島永嗣(メス)が正GKとして計算できるポジションで、控えとしての役割も重要になる。ベテランの曽ヶ端準(鹿島アントラーズ)は大舞台での勝負強さに疑いの余地は無く、ここで招集しておけば有事の備えにもなる。

▼DF
車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
藤春廣輝(ガンバ大阪)
植田直通(鹿島アントラーズ)
中山雄太(柏レイソル)
昌子源(鹿島アントラーズ)
三浦弦太(ガンバ大阪)
西大伍(鹿島アントラーズ)
室屋成(FC東京)

 センターバックは守備の要であり、まずは安定したパフォーマンスが求められるポジションだ。その上で現在の代表に不足している強みを加えられそうな選手が有力候補となる。欧州遠征で槙野智章(浦和)が大きくアピールし、吉田麻也(サウサンプトン)とのファーストセットに定着しつつある。その両選手とも欠く今回は昌子が吉田の“代役”を務め、もう1人はデュエルの強さやDFラインの裏を瞬時にカバーできる機動力など、身体能力を発揮できるキャラクターの選手が候補となる。10月に招集された植田と欧州遠征に参加した三浦はほぼ当確だろう。もう1枚はバランスを考えれば統率力の高いタイプを入れたい。20歳ながらFIFA U−20ワールドカップも経験した中山は左利きというメリットに加え、後方からの組み立ても期待できる有力候補だが、国際試合でのデュエルを重視すれば奈良竜樹(川崎)が食い込む可能性も十分にある。サプライズがあるとすれば2017JリーグYBCルヴァンカップ優勝に大きく貢献したC大阪の木本恭生か。もともと本職はMFだが危機察知力が高く、Jリーグの中では相手との距離を常に詰めたディフェンスが目立っており、90分の運動量もある“ハリル好み”の選手と言える。