「ついに来たか、子なし税」「独身税で炎上したと思ったら子なし税って……」。

平成30年度の税制改革についてのニュースが話題になっています。ことの発端は、17日に共同通信社が出した速報です。

「子供のいない年収800万円〜900万円世帯が増税になる」という短い記事から、「子なし世帯にだけ税負担が増えるのか」という認識が生まれ、一気に「子なし税」なる言葉がネットに踊りました。

周囲でも「子なし世帯を差別している」「子供を持つか持たないかで税金に差をつけるなんて、日本ひどい」と憤りの声があがりました。

でもこれ、「子なし税」ではありません。

今回の控除制度の見直しで、低・中所得者の税負担は減り、逆に高所得者の税負担が増える見通しだ、というもの。その「現状より税負担が増える高所得者」が、年収の800万円〜900万円の人になりそう、という話です。

ただし、該当する所得世帯でも子育て中の世帯は、増税対象から外す措置がされるかも、という。

子育て中が何歳までと定義されるのかわかりませんが、最長で「成人させるまで」を子育て中としても、20歳になればお子さんがいる該当世帯は増税です。世帯単位なので、独身の方も、該当年収であれば当てはまります。

なんのことはない、税制改革ごとに該当年収が引き下げられている、高所得会社員への増税なんです。

でも、「子なし税」というワードはセンセーショナルです。

子供がいないことで増税されるなんて、腑に落ちない

「子供がいない該当年収世帯は増税になる見通し」ということに変わりはありません。でも、「子供がいない世帯に増税する」というのと、「該当世帯でも、子供がいる世帯は増税対象から外す」というのでは、受ける印象は全然違います。なんか、扇動されているような、怒ったほうがいいよ!ってけしかけられている気分です。

確かに、「子なし税」という言葉のせいで、いつもは「税金だったらもう、なんやかやいってもしょうがないから黙っとこ」という筆者ですら、調べたり記事を読んだりしましたから、よかったのかもしれません。勉強になりました。ありがとうございます。

「子なし税」を最初に使った記者さんは、「国民はもっと経済や政治に注目しなくちゃダメだよ!」というメッセ―ジを「子なし税」に込めたのかもしれません。実際、子供がいないだけで増税される世帯は、相当もやもやすると思われます。

そしていちばん思うのは、婚活中のアラフォーに、この税制改革って重たいなぁということです。

この法案が決定した場合、たとえば、年収400万円くらいの女性が、自分と同じ年収くらいの男性と結婚したとします。すると、ふたりの年収が足し算されるので、増税対象となる該当年収世帯になってしまいます。

結婚したら、「はい増税」というのは、あまりにもな気がします。増税されるなら結婚しない、なんていう人はもちろんいないでしょうが、せっかくのハッピーウェディングなのに、おめでたい感がそがれてしまうのは否めません。

アラフォーの結婚では、子供をもたない選択も視野にいれている人も少なくありません。

「ふたりで老後の資金を稼がないとね!がんばろうね!」というこれからのカップルに、子育て世帯が免除されている税金が課せられるというのは、つまるところ「子供をもたないから、自分たちは負担しなければならない」という気分を味わわせてしまうことになる気がして、どんよりした気持ちになります。

そうなると「やっぱり子なし税じゃん!」と思えてしまうんですよね……。

まぁ筆者は該当年収じゃないし、そもそも会社員ですらないので、なんだかんだいうのもあれなんですが、うーん。

もともと自分自身の収入だけで800万円以上とかだったら、それはそれで腹くくるってこともあると思うんですけど、結婚しなければ減税ポジションだったのに、結婚したら増税ポジションって、どうなんだろうと思うんですよね。年収は変わらずなのに。

そうなってくると、もう子供がいる、いないで区別するのではなくて、こっちはこっちでなんとかやりますから、子供がいる人たちはそっちでなんとかやってくださいよ、っていう気にもなっちゃうんですよね……。みんなの意見はどうでしょう?

「年収800万円超えでも子育ては大変です」「子供がいないから増税対象っていうのは解せない」……その2では子あり&子なしアラフォーに聞いた税制改革案についての意見を紹介します。

子育てにはお金がかかる→わかる。子育てしてないからお金が余ってる→なんでそうなる?