ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル【写真:Getty Images】

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来年1月の全豪OPから正式導入 試合の時間短縮によるファン開拓が期待されるが…

 男子テニスの新シーズンは、12月31日から始まるブリスベン国際で幕を開ける。そんな中、来年1月に行われる全豪オープンから「ショットクロック制度」の正式導入が決定。プレーヤーは25秒以内にサービスを打たなければ、ペナルティーが課されることになるが、世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン)と同2位のロジャー・フェデラー(スイス)はこの決定に異議を唱えている。英公共放送「BBC」が報じた。

 テニス界では、これまでも一部の国際大会やジュニア世代の公式戦などでショットクロック制度が試験的に導入。サービスまでの秒数を会場の時計がカウントダウンしていくこのシステムは、試合展開と時間短縮による、新たなファン層拡大などの狙いがあると目される。

 しかし、男子テニス界が誇る二大巨頭は難色を示している。

「これはツアーの未来にとって有益なものとは思えない。個人的には全く心配することではない。あと10年以上プレーすることはしたくないからね。簡単に適応できるよ。でも、個人的には気温35度の環境でプレーすることは、15度や18度の環境下でプレーすることは同じではないんだ。だからこそ、我々には審判がいる。彼らは全ての状況を考慮して、ファンにとって、できる限り最高のショーを作り出すことになる」

 記事でこう語ったのは、今年世界NO1に返り咲いたナダルだ。運動に適温の環境下と酷暑の中で、同じテンポの試合展開を求められることは、選手の負担を増やし、試合のクオリティー低下につながると危惧している。

ナダルが「最高のショーを見せることはできない」とプレーへの影響を示唆

「個人的には、ある過酷な環境で25秒のクロックが存在するのなら、最高のショーを見せることはできない」

 ナダルは、ベストパフォーマンスは保証できないと断言した。

 一方、フェデラーもこのシステムについて言及。11月にミラノで行われた21歳以下の新鋭が参加する「ATPネクストジェネレーション・ファイナルズ」でも導入されたが、同大会では選手がコート上で足を痙攣させるシーンが目立ったことから「本当にストレスがかかる」と厳しい見解を述べている。

 他のスポーツに目を移せば、北米四大スポーツのMLBではピッチャーの投球間隔を短くする「20秒ルール」が導入され、来季にはこれを厳格化する「ピッチ・クロック」も検討されている。NBAではボール保持から24秒以内にシュートがリングに触れなければならない「ショットクロック制度」を1954年から確立している。試合時間の短縮は、スポーツ界全体の“風潮”とも言えるだろう。

 スタンドの観衆を熱狂させるロングラリーを終えたばかりの選手は、息を整える暇もなく次のサービスを打たなければいけない。テニス界に本格導入されることになる「ショットクロック制度」は、今後いくつもの壁を乗り越えなければならなそうだ。