高級住宅街・芦屋に引っ越したら…「女性1人飲みは変な目で見られツラい」

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 高級住宅街と言えば、東京では千代田区番町や元麻布、もしくは松濤、田園調布など、人によって意見がちがうかもしれません。

 ですが、関西ではこの街を挙げない人はいないでしょう、それは芦屋です。

 誰もがうらやむ高級住宅地である、兵庫県の芦屋に引っ越した美和さん(仮名・29歳・主婦)。しかし、現実は思い描いていたものと違ったようです。

◆母の引っ越しがきっかけで、神奈川の下町から芦屋へ

 神奈川県出身の美和さんが、関西に引っ越したのは26歳の時。母親の移住が理由でした。

「両親は私が10代の時に離婚しました。私は母に付いていったのですが、大学卒業とともに就職して一人暮らしを始めました。26歳の時、関西に住んでいた母方の祖父母がなくなり、母は『1人暮らしは寂しいので、地元の関西に帰りたい』と言い出しました」

 美和さんの母は祖父母が暮らしていた家を売り、そのすぐ近くにマンションを買いました。そこは有名な高級住宅街、兵庫県の芦屋市でした。

「初めは母だけが引っ越しました。私は地元の神奈川にいたかったのですが、仕事もプライベートも特に変わり映え無し。このまま地元にいても、何も変わらなそうだなと思い、心機一転して母と一緒に芦屋に住もうと思いました」

 美和さんの申し出に母は喜び、母と同じマンションに住むことになりました。有名な高級住宅街に住むことになった美和さんに、地元の友人からは羨ましがられました。

 しかし、いざ住んでみると、様々な困難があったようです。

◆ヨソ者を受け付けないお高い雰囲気

「昔からある高級住宅街なので、町の人たちが閉鎖的というか、ヨソ者を受け付けないという雰囲気でした。

 私は神奈川の下町出身。幼い頃から気さくな環境で育ったので、お高い雰囲気に馴染めませんでした」

 下町出身ということもあり、お酒も大好き。地元にいる頃は、よく1人飲みもしていたそうですが……。

「大好きな立ち飲み屋も、もちろんありません。あるのは高級感のあるオシャレなバーが数軒。それもほとんどが禁煙で、オジサン客もいません。女性が1人で飲んでいると、変な目で見られました。

 母からも『娘が1人で飲んでいるところを知り合いに見られたりしたら……』と言われました。しかも、ほとんどの店が0時には閉店するので、次の日が休みでも飲み足らず、泣く泣く家に帰った事もあります」

 深夜に営業しているのはチェーン店かカラオケのみ。引っ越してきたばかりで友達もおらず、1人では入りづらかったそうです。しかし、不便はこれだけではありませんでした。

◆夜は人の気配が無く、不審者も出没

「コンビニがほとんどなくて、1番近いとこで徒歩15分。条例でパチンコや風俗店を作ってはいけないエリアとは聞いていましたが、夜中になると全く人気(ひとけ)がありません。

 そういう環境だからか、不審者が多かったようです。マンションの回覧板に『不審者出没!』とよく書かれていました。とても、夜中に1人でコンビニに行く気になれませんでした」

 街の住人は車移動が常識だったといいます。免許を持っていない美和さんは、自転車で行動するようになったそうです。

「スーパーもドラッグストアも自転車で15分くらい。まとめて買うので母に行かせるわけにもいきません。しかも、スーパーなのに全然安くないんです。

 母は地元なので、神奈川よりもここの生活が落ち着くと言っていましたが、私には考えられませんでした。下町出身の父と離婚した理由が、なんとなく分かった気がします」

 現在、美和さんは結婚して同じ県内の下町エリアに引っ越したといいます。

「芦屋でできた友人には『治安の悪いエリア』と言われましたが、住んでみたら全然そんなことありません。格安スーパーも、立ち飲み屋もたくさんありますし、私にはこっちのほうが暮らしやすいですね」

 高級住宅街は下町に比べると店が少なく、物足りないと感じるのかもしれませんね。

<TEXT/ケミカルT>