80~90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第18回は、乗用車的なクオリティを大型ボディで表現した、マルチパーパスRVに太鼓判です。

ライバルのパジェロがバブル期のクロカンブームを牽引、モデルチェンジで高級路線を進める中、1991年、ボディを拡幅しながらも、単なる上昇基調ではない独自の存在感を目指したのが2代目ビッグホーンです。

ショート、ロングボディとも均整のとれたプロポーションが秀逸。張りのある面は極めて高質で、広いドア面をしっかり支えます。一方、厚みのあるエンジンフードや大型一体バンパーは、RVとしての力強さを出しつつも過大な表現を避け、ボディに一体感を与えるもの。

異形角型ヘッドランプとシンプルなグリルの組み合わせは非常に端正で、グッドプロポーション、プレーンな面との相乗効果により、このクルマにいい意味での乗用車感を醸し出します。

さらに、ロータス仕様のグリーンマイカなど、センスのいい2トーンのボディカラーは、ボディにシックかつトラッドな雰囲気も与え、単なる高級化とは異なる個性を生み出します。

インテリアも同様にシックなイメージで配色しつつ、立体感のあるインパネや厚みあるドアトリムがアクティブな印象も確保。スポーティなステアリングやシートは独自の世界観を作りました。

1745ミリへの拡幅はバブルを反映するものですが、しかし安易な高級化に陥らず、乗用車的なクオリティで普遍性を感じるボディは、どこかピアッツァやFFジェミニに通じるもの。

デザインフィロソフィ「HEXA-POD」を掲げるいすゞは、現在でもプレーンでシンプルなデザインを標榜しています。過剰な表現が少なくないいま、ここに学ぶべきヒントが隠されているのかもしれません。

●主要諸元 いすゞビッグホーン ロング ハンドリング・バイ・ロータス (5MT)
形式 Q-UBS69GW
全長4660mm×全幅1745mm×全高1840mm
車両重量 1980kg
ホイールベース 2760mm
エンジン 3059cc 直列4気筒ターボディーゼル
出力 125ps/3600rpm 28.0kg-m/2000rpm

(すぎもと たかよし)

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