過去に「ARヘッドセットを開発中」と報じられ、ティム・クックCEOが「Apple社内でAR技術を開発中である」と発言したこともあるAppleですが、新たに、ARヘッドセットを開発するカナダのスタートアップ「Vrvana」を3000万ドル(約34億円)で買収したと報じられています。

Apple acquired augmented reality headset startup Vrvana for $30M | TechCrunch

https://techcrunch.com/2017/11/21/apple-acquires-mixed-reality-headset-startup-vrvana-for-30m/

Apple reportedly acquires Canadian AR headset startup Vrvana for $30M

http://appleinsider.com/articles/17/11/21/apple-reportedly-acquires-canadian-ar-headset-startup-vrvana-for-30m

海外ニュースメディアのTechCrunchがある筋から入手した情報によると、Appleは3000万ドルでカナダのAR関連スタートアップ・Vrvanaを買収したそうです。Appleはこの報道についてコメントすることを拒否していますが、買収について否定することはありませんでした。また、カナダ・モントリオールで働いていたVrvanaの従業員たちは、既にアメリカ・カリフォルニアのApple本社へ移動しているとのことです。

Vrvanaが開発していたのは、拡張現実(AR)技術とバーチャルリアリティ(VR)技術を組み合わせて開発された「extended reality」と呼ばれる技術を用いた「Totem」と呼ばれるヘッドセット。公式サイトによると、Totemは特殊な内部ハードウェアを統合することで、装着者の頭の位置だけでなく、仮想オブジェクトの操作を容易にするためにユーザーの手の位置もトラッキング可能となっているそうです。なお、手のトラッキングには赤外線カメラも使用されているとのこと。

カメラとソフトウェアで「6DoFトラッキング」と「OLED(有機ELディスプレイ)上に外の映像を映す」を実現しているので、Oculus RiftやHTC Viveのようにヘッドセット以外にトラッキング用の専用外部機器を使用する必要がないというのもポイントとなっています。

Vrvana - Technology to augment our reality



MicrosoftのHoloLensは透明のガラスパネルにコンピューターが出力する映像を重ね合わせるという手法をとっていますが、Vrvanaの技術はリアルタイムの映像にコンピューターグラフィックスを合成するというものであり、AR環境とVR環境をシームレスにブレンド・移行できいるという強みがあります。VrvanaのBertrand NepveCEOは、Totemのような端末では「レイテンシーが問題になる可能性がある」としながら、遅延を3ミリ秒に抑えたプロトタイプを開発していると述べていました。

2017年の11月にAppleは単体動作可能なARヘッドセット「T288」とARヘッドセット向けのOS「rOS」を開発中であり、2020年の市販化を目指していると報じられたばかり。

Appleが完全新開発の「ARヘッドセット」を開発中と報じられる - GIGAZINE



Appleは一連の報道について一切コメントを出していませんが、例えばiOS 11で最先端のARアプリケーション開発支援フレームワーク「ARKit」をリリースしたように、AppleがAR関連技術に力を注いでいることは明らか。

なお、クックCEOは2017年10月に、「ウワサや関係者からのリークなどがありますが、我々は今何に取り組んでいるのかを明らかにすることはありません。しかし、現時点では良質な方法でARを提供できる技術が市場には存在しない、と言うことはできます」「ARではディスプレイ技術と顔の周りに十分なものを置く必要に迫られますが、そこには大きな課題が存在する」とインタビューの中で答えており、これらを解決するための第一歩としてVrvanaを買収したということは十分に考えられます。