21日、地震の影響で延期が決まった大学入試に向け、震源となった韓国の南東部では試験会場の安全対策が進められているが、韓国・中央日報によると、そうした準備自体が受験生たちの不安をあおりかねないと懸念の声が一部で出ているという。資料写真。

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2017年11月21日、地震の影響で1週間の延期が決まった大学入試に向け、多くの建物に被害が出た韓国の南東部では代替試験会場の準備や安全対策が進められているが、韓国・中央日報によると、そうした準備自体が受験生たちの不安をあおりかねないと懸念の声が一部で出ているという。

23日に延期された大学修学能力試験(修能)に備え、15日の地震以降も余震が続く浦項(ポハン)地域の試験会場にヘルメットを提供したいとの連絡が、ある中小企業から同地の教育委員会に入った。試験中に地震が起こった場合に備え、12の会場の受験生5500人余りの各席に置いてほしいとの善意の申し出だったが、教育委はこれを断った。趣旨には共感するものの、「ヘルメットを目にすること自体が受験生に不安を与える」との意見が会議で出たためという。しかしこれについては、「ヘルメットを備えていること自体が、受験生により安心感を与え得る」との反論も教師などから出ているようだ。

試験会場の階段も、受験生たちの不安要素の一つに挙がっている。浦項地域で試験場として使われる12の中・高校はすべて2階建て以上で、3、4階に受験教室が設けられた所もある。万が一、試験中に大きな地震が起こればグラウンドに避難することになるが、階段を駆け下りての避難に不安を感じる受験生もいるそうだ。ネットの掲示板には、試験場の最上階で受験するという人から「気持ちが複雑に乱れて整理できない」との声が上がった。

さらに浦項地域の受験生の保護者からは、試験会場外の雰囲気についても心配する声が出ている。当日、浦項の12の会場には大型バス240台余りが待機予定という。万一の際の受験生の緊急避難用だが、バスが行列をつくる光景に、受験生は自然と地震を想起せざるを得ない。そのため保護者などから「こういう珍風景を目にして、果たして地震への不安感を振り払った安定した状態で受験できるのか心配だ」との声が出ているのだ。

しかしこの報道に接した韓国のネットユーザーからは「命より受験が大事なの?」「安全のための措置なのに、安全不感症が深刻だね」「ヘルメットは受け取った方がいいと思うよ」「セウォル号を経験してもまだまだ遠いなあ」など、教育委や受験生の保護者の主張を「要らぬ心配」として批判する声が多く寄せられている。

また、「安全について備えをやり過ぎるということはない」「いっそかぶって受験すればいいじゃないか。それで勉強したことを忘れるわけじゃないだろう」との指摘や、「日本の災害のニュースを見ると、記者は必ずヘルメットをかぶっているよ。韓国はかぶっていないことの方が多い。ヘルメットが害を及ぼすわけじゃないのに」と日本を例に挙げる人もいた。(翻訳・編集/吉金)