英国の市場調査会社、カナリスがまとめた、スマートウオッチやフィットネスバンド(活動量計)などのウエアラブルバンド(腕に装着するウエアラブル機器)市場に関する最新リポートによると、今年(2017年)7〜9月期における、これら機器のメーカー別出荷台数トップ3は、1位から順に、米アップル、中国シャオミ(小米科技)、米フィットビットだった。

 アップルは、今年1〜3月期にシャオミと並んで首位だったが、4〜6月期は3位に後退していた。しかし、7〜9月期は、390万台を出荷し、アップルは首位に返り咲いた。これは、同社の四半期実績として今年に入って最高の数値だ。

(参考・関連記事)「ウエアラブルバンドの出荷台数でアップルが3位に」

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Apple Watch、セルラーモデルが好調

 アップルは9月22日に「iPhone 8」とともに、Apple Watchの第3世代モデル「シリーズ3」を市場投入した。このシリーズには、セルラー対応(携帯電話通信機能内蔵)モデルも用意されている。それまでのApple Watchは、iPhoneと接続して利用することが前提の機器だった。しかしセルラー対応モデルでは、近くにiPhoneがなくても電話やネット接続が可能になる。

 カナリスの推計によると、このセルラー対応モデルの7〜9月期における出荷台数は80万台。同四半期におけるApple Watchの全出荷台数の約20%を占めており、出足は好調だった。このことは、それまで通信事業者が抱いていた、セルラーモデルに対する懸念を払拭したとカナリスは指摘している。

 ただ、シリーズ3は、まだその可能性が大いにある。前述したとおり、第3世代モデルが発売されたのは9月22日だったため、7〜9月期の統計には、わずか9日分の業績しか反映されていない。これに加え、シリーズ3は一時、需要が供給を上回り、在庫不足に陥った。

中国で突如の通信遮断

 さらに、アップルにとって不運なことが起きた。米ウォールストリート・ジャーナルによると、中国では9月28日から、セルラー対応モデルの通信が遮断された。

 その理由は分かっていないが、中国当局がApple Watchのセルラーモデルに使われている新技術について、利用者情報管理の方法を模索中であることが原因のようだと、同紙は伝えている。この問題は、やがて解決されるのかもしれないが、いずれにせよ、中国当局の措置により、同国消費者のApple Watchに寄せた期待は吹き飛ばされたと、カナリスは指摘している。

アップルのシェア23%、サムスンは5%

 7〜9月期におけるメーカー別出荷台数の4位と5位は、中国ファーウェイ(華為技術)、韓国サムスン電子。この2社はアップルと同じく、スマートウオッチのメーカーであり、スマートフォンのメーカーでもある。

 カナリスによると、これらスマートフォンメーカーは、いずれも、自社スマートフォンのブランド力やそのエコシステム(生態系)を拡大するために、スマートウオッチを展開している。とりわけアップルとサムスンはこの戦略のもと、ブランド・ロイヤルティーを高めているという。ただし、アップルの市場シェアが23%だったのに対し、ファーウェイは6%、サムスンは5%にとどまっているという状況だ。

 なお、7〜9月期におけるウエアラブルバンドの世界出荷台数は、1730万台となり、前の四半期に比べ2%減少した。スマートウオッチの出荷台数は伸びたものの、安価なフィットネスバンドなどベーシック型機器の台数が減少したことが要因だ。

筆者:小久保 重信