モルディブのアシム外相が記者会見。中国主導の「一帯一路構想」に関わっており、「中国との経済協力は非常に強力」と強調。首都マレ空港の滑走路拡充や空港とマレ市内を結ぶ橋の建設などを中国が支援していると明かした。写真は会見する同外相。

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インド洋に浮かぶ島嶼(とうしょ)国であるモルディブのモハメド・アシム外相が日本記者クラブでこのほど会見。中国主導の「一帯一路(海と陸のシルクロード)構想」に関わっており、「中国との経済協力は非常に強力」と強調。首都のマレにある空港の滑走路拡充や空港とマレ市内を結ぶ橋の建設などのインフラ事業を中国が支援していると明かした。さらに「主力産業は観光業で、多くのリゾート島が、中国、日本、米国、欧州、中東などから多くの観光客を呼び込んでいる」と説明。現在の外国人観光客は年間120万人と人口(約40万人)の3倍に達するが、「国際空港などのインフラを拡張し、将来500万〜600万人を受け入れたい」と期待した。発言要旨は次の通り。

モルディブにとって最大のリスクは地球温暖化による影響。海抜の最高が2.4メートルという平坦な地形であるため、海面上昇により、国土が消滅する危機にさらされている。気候変動問題は世界共通の課題であり、米国も大型ハリケーンの襲来などの影響を受けている。モルディブは44カ国で構成する小島嶼連合の議長を務めており、パリ協定を最初に批准した。国の大小を問わず世界全体が取り組むべきだ。自助努力の一環として太陽光・風力発電にも力を入れている。

主力産業は観光業で、多くのリゾート島が、中国、日本、米国、欧州、中東などから多くの観光客を呼び込んでいる。現在の観光客数は年間120万人と人口の3倍に達するが、「国際空港などのインフラを拡張し、500万〜600万人を受け入れたい。

一人当たりの国民総生産(GDP)は1万ドル超で、南アジア地域では最も高い。「後発開発途上国」(LDC)から脱皮し「中進国」の仲間入りを果たした。(先進国レベルの)経済協力開発機構(OECD)基準に従って資金調達しなければならないので、大型プロジェクトにはいかなる国からも資金を受け入れている。大規模商業港の建設プロジェクトでは複数のパートナーと交渉中である。

最近日米などが打ち出した「インド太平洋戦略」を歓迎するが、中国主導の「一帯一路(海と陸のシルクロード)構想」にも関わっている。中国との経済協力は非常に強力で、首都のマレにある空港の滑走路拡充や空港とマレ市内を結ぶ橋の建設に中国が支援している。

もう一つの主要産業は漁業。最大の事業所であるマグロ缶詰工場は日本の国際協力機構(JICA)などの支援で建設され、ヤンマーの協力でエンジン付の漁船が増えた。カツオブシは14世紀にモルディブで始まり、15世紀に日本に伝わった。モルディブでは、カツオブシはあらゆる料理に使われている。(八牧浩行)