国内ツアー今季初出場となるダンロップフェニックス(11月16日〜19日/宮崎県)において、3年ぶりの優勝を狙った松山英樹は、通算10アンダーの5位で終えた。


最終日、3番ホールでホールインワンを決めた松山英樹

 1番パー4を”おはようバーディー”でスタートした最終日、最大の見せ場となったのは、実測175ヤードの3番パー3で決めた”エース(ホールインワン)”だった。

 豪放な鹿児島や熊本といった隣県に比べたら、おとなしい県民性の宮崎のギャラリーからも、ピンの2m手前から転がったボールがカップへと消えると、一瞬の静寂のあと、本当に地鳴りに感じられるような大歓声が挙がった。

「試合でやるのは初めて。生涯では3回目です。いい所に落ちたなと思ったんで、『入っちゃえ』と思ったら(ボールが)消えた。一瞬、間があったので入らなかったのかと思ったんですけど、すぐに歓声が起きて……」

 ホールインワンの直後は、「(足下が)フワフワした感じになる」という話を仲間から聞いていた。

「初めて、そのフワフワする感覚がわかりました。だから、4番のティーショットはすごく怖かったですね(笑)。曲がるんじゃないか、って」

 首位を独走していたブルックス・ケプカ(27歳/アメリカ)に対して、3日目を終えた時点で松山は、「奇跡的に50台が出ればチャンスはある」と話していたが、言葉どおりの猛チャージを期待させる出だしだった。

 しかし、チャンスホールの4番(パー5)でバーディーを奪えず、リズムに乗り切れない。10番でダブルボギーを叩いたところで、事実上の終戦となった。

 米ツアーでもしのぎを削るケプカに、10打差をつけられた最終結果にも関わらず、ラウンド後の松山はやけに上機嫌で、珍しく饒舌だった。それは、決してエースを決めたことだけが理由ではないだろう。

 開幕を前に、松山は来年4月のマスターズに向け、スイングの修正に取り組んでいることを明かしていた。詳細は口にしないものの、順当に伸びてきている飛距離に、”精度”を伴わせるための試みであるようだ。

「マスターズで自分の思いどおりの球を打つためには、今までのスイングではダメだったと思います。スイングを変えるというよりは、自分のフィーリングの出しやすいスイングにする作業。ちょっとした自分の中での変化なんですけど、そこが大きな差、結果につながっていくと思う」

 3年前には勝利を飾った、自身の契約メーカーが主催する大会で、その手応えを感じたのではないだろうか。

「いいショットを打ったときの感じが、自分の理想の『これだったら安心できる』っていう感触があるので、このいいショットの数を増やさないといけない」

 そして、練習日に一緒に回った同級の石川遼が語ったコメントを引用し、こうおどけた。

「まあ、1カ月に2万球ぐらい打とうかなと思います(笑)」

 2017年は、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ2月のフェニックス・オープンで連覇を達成し、8月のブリヂストン招待で世界選手権シリーズ2勝目を飾った。メジャー大会は、6月の全米オープンで2位、8月の全米プロでは最終日のバックナインを単独首位で迎えながら、最終的には5位に沈んで涙を流した。しかし、夢のメジャー制覇に最も近づいた1年だったに違いない。

「全米は今日と同じように、ケプカからだいぶ差があっての2位で、全米プロは(最終日にトップと)1打差でスタートしての負け。(メジャー優勝が)近づいているのかなっていうのはありますけど、全米プロの3日目、4日目っていうのは課題が残った。今、取り組んでいることが、特にパッティング(の改善)につながってくれれば、チャンスが増えるかなと思います」

 大会翌日は、アメリカでの挑戦を続ける畑岡奈紗らとのテレビマッチに臨み、一時の安寧を得た松山は、ディフェンディングチャンピオンとして迎えるヒーロー・ワールドチャレンジ(11月30日〜12月3日)の舞台、バハマへと向かう。

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