抜群のスピードを誇り、1対1の守備も強い。車屋は攻守両面で完成度の高いSBだと思う。(C)SOCCER DIGEST

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[J1リーグ32節]川崎1-0G大阪/11月18日/等々力
 
 接戦となったフロンターレ対ガンバ。フロンターレはここで負けると、アントラーズのリーグ優勝が決まってしまう重要な一戦で、終盤にエウシーニョがCKの流れから決勝点をゲット。意地を見せたね。
 
 両チームには、ブラジル、ベルギーと戦った日本代表の欧州遠征から戻ったばかりの選手たちもいて、フロンターレの車屋、ガンバの井手口や東口、三浦、倉田らは先発でピッチに立った。
 
 そのなかのひとり、車屋は僕と同じレフティで左SBだからというわけではないけど、以前から注目している選手だ。
 
 風間さんが監督をしていた時からメキメキと頭角を現わして、ポテンシャルは誰もが認めるところだった。好不調の波が少なく、スピードも抜群。クロスの質も高いし、ゴール前の状況を見て、いろいろと蹴り分けられる。少し前になるけど、夏のアウェー・サガン戦でのクロスからの2アシストはインパクトがあったね。
 
 相手に寄せられても慌てずにキープできるから、後方からのビルドアップも安心感がある。守備では1対1の強さが光る。攻守両面で完成度の高いSBだと思う。
 
 ハリルジャパンに名を連ねるのも当然。ただ、代表でレギュラーを取るには、まだまだ力不足なのかもしれない。
 
 左SBのライバルは、代表通算100試合出場を達成した経験豊富な長友だ。ふたりを比べて、僕が一番に感じる違いは、“やりきる”ことができるか、できないか。
 
 長友は攻撃参加すれば、かなりの高い確率でクロスやラストパス、カットインからのシュートなど、最後までやりきってみせる。
 
 もちろん、車屋はまだそこまで代表で出場機会を得られていないから、アピールできないのは仕方ないと思う。でも、フロンターレでのパフォーマンスを見ると、総合力は高いとはいえ、どこかバランスを重視しているのか、攻撃面での強引さが足りないような気がしてならない。“そこまで行くか”というぐらいにまで、やり切ってほしい場面が少なくない。
 
 長友と言えば、あの力強く推進力のあるプレーが容易に想像できる。一方で、車屋はたしかに上手いけど、自身の代名詞になるような飛び抜けた武器があればな、とも思う。

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 車屋は持っているものは間違いないんだから、もっと貪欲に、自分の能力を信じて、本気で長友からポジションを奪う気持ちで、これまで以上にアグレッシブな振る舞いを見せてほしい。
 
 もちろん、長友は“高い壁”かもしれない。ただ、例えば欧州遠征のベルギー戦では、長友が前に出た後のスペースを突かれて、攻め込まれる印象があった。チームとしての守り方に課題が見えたけど、これをハリルホジッチ監督がどう評価したのかは気になるところだ。
 
 国内組だけで参戦する12月の大会(EAFF E-1/旧東アジアカップ)でもおそらく車屋は招集されるだろうけど、そこで上手くバランスを取りながら、かつ圧倒的な存在感を放てば、レギュラー奪取も視野に入って来るだろう。

 欧州遠征では試合に出られなかったけど、ブラジル戦では、同じポジションのマルセロのプレーをピッチサイドで生で見られたのは、貴重な経験になったと思う。それを今後の自分にどう活かしていくか。まだまだ伸びしろのある選手。来年のワールドカップに向けて、さらに力をつけていってほしいね。