あなたの周りや、SNSでもきっとこんな女性を見たことがあるはずだ。

恐らく彼女は、女性ファッション誌の読者モデル。インスタには、港区の超一流レストランや、オシャレな自宅マンションが写り、しょっちゅう海外旅行の写真がアップされる。

ただ、それだけの生活を送る収入源は、読者モデルという職業だけとは思えない。そんな謎の美女の港区での夜を追ってみた。




「いまから飲まない?」

時刻は22時。定期的に開催される港区のパーティで知り合ったおじさんに呼び出された。場所は六本木『グランド ハイアット 東京』の『マデュロ』。他の人とも、今年だけでもう30回以上は行っている。このおじさんは、隙あらばちゃっかり口説いてこようとするが、害はない、いい人だ。

『マデュロ』への行き方に戸惑うビギナーは多い。ホテルエントランスから入る際には、まず6階を目指し、そこから違うエレベーターに乗り換えなければならない。

私も、東京に来たばかりのころは行き方がわからなかった。初めて『マデュロ』に入った時は、まるで外国みたいな雰囲気に心が躍った。




席につくなり、おじさんはこの前行ったハワイは誰と言ったのか詮索してきた。1週間で水着の写真を毎日あげたらフォロワーが100人増えた。と言ってもまだ8千人。おじさんとふたりきりが嫌だから呼び出した同じ事務所のこの子には、2万人のフォロワーがいる。

「シャンパンでよかったかな?」と聞かれて、ふと、シャンパンって何がいいんだろうと思う。

抜栓したら飲みきらなくてはいけないシャンパンは、贅沢な飲み物だ。だからラグジュアリーの象徴的存在なのだろうか。私も、味は美味しいなと思う。この味を体験したことがない人は、人生損してる。




最近では、毎晩のように飲むようになったけど、そこで気付いたのはその場にいる人たちの共通点だ。

自信に充ち溢れ、ギラギラしたオーラを醸し出す。仕事の成功を毎晩のように祝い、高揚感を共有する。そんな人が集まる港区の乾杯は、シャンパンしかあり得ないのだ。




『マデュロ』で、泡がたちのぼるシャンパンはキャンドルよりも存在感があった。全部飲み干さないうちにおじさんが聞いてきた。

「次は何がいい?」

「う〜ん、重めの赤かな」するとおじさんは、合図が出たとばかりにオーパスを提案してきた。この横顔には見慣れてきた。


シャンパンからのオーパスは、港区の夜の通過儀礼




十万円以上するオーパスが開いたら、一応嬉しい顔はする。お酒ではなく、それを頼んでもらえる価値のある自分に酔っていると言った方が正しいかもしれない。

東京で「モデルやってます」って言うようになってから、夜の過ごし方はほとんど変わってない。




数年後、高級なものを与えてくれる人たちがフェイドアウトして、今の生活が続かなくなることは気付いてる。港区の夜から消えて行った女のコを何人も見てきた。

でも、私はそうはならない。「モデル」の次は「美人ヨガ講師」とか、「ポーラセーツ講師」なんていう肩書きを名乗ってみるのもいいかもしれない。




「あ、こんな時間。誕生会に顔ださなきゃ」

オーパスを置いて『マデュロ』を後にした。罪の意識は感じない。おじさんも後で他の子を呼ぶことはわかってる。港区で生き残り続けるためにはこうやって、毎晩自分にとって有益そうな場所を転々とすることが必要なのだ。


Jazz Lounge『MADURO』

世界的に有名なデザイナーのトニー・チーが、“大人の遊び場”を意識して内装を仕上げたバー。レザーソファの中は身体にフィットする羽毛の形状記憶で、つい長居してしまう座り心地。20時以降はライブミュージックあり(チャージ¥2,000)




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