ジョギングをした後氷の入った水をグビグビ飲んでいる私を中国人夫はもの凄い心配そうに見つめている。夫にとって冷たい飲み物を飲むことは、自ら病気になろうとする自傷行為なのである。資料写真。

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ジョギングをした後氷の入った水をグビグビ飲んでいる私を、中国人夫はもの凄く心配そうに見つめている。夫にとって冷たい物を飲むことは、自ら病気になろうとする「自傷行為」なのである。今回は夫との生活で感じた中医学について書きたいと思う。

中医学では冷たい物を飲むこと、食べることは病気を引き起こす元だと考えられている。私も氷の入った物ばかり飲むのはお腹に良くないのは何となく理解できるが、実はトマトやキュウリなどを生で食べるのも良くないらしいのである。確かに中国人が良く作る家庭料理「トマトと卵の炒め物」も油でトマトを炒めている。

ちょっと気になったので調べてみると、中国人が冷たいものを飲んだり食べたりしなくなった理由は三国志の曹操に由来するらしい。何でも3世紀ごろ寒食節という火を使ったものを食べないという儀式を人々が行なっていたところ体調を崩す人が続出し、曹操が「寒食節はもう廃止!家庭で冷たい物を食べた者は処刑する!」と言い放ったという(ちなみに「噂をすれば影」は中国語で「説曹操,曹操到」という)。

さらに夫は「エビとカニの食べ過ぎも良くない」と言う。夫いわくエビとカニは自然の生き物なのでパワーが強く、人間が摂取しすぎるとそのパワーを消化しきれなくなってしまうのだと言う(これは夫の持論かもしれない)。

また夫は頭が痛いとすぐ頭痛薬を飲む私の事も「信じられない…」という目で見つめている。頭痛や腹痛は自然治癒が一番良くて、薬の飲みすぎは身体の力を自ら奪ってしまうのだそうだ。

夫は小さい頃から中医学で育ってきた。医者に行けば医者は手首の脈にそっと手を置いて診察をする。「脈を見ただけで病気の種類が分かるの?」と私は思ってしまうが、夫の健康志向はかなり強く、中医学の教えを頑なに守り続けることでかれこれ30年間、風邪も頭痛も自力で治す強い身体を保ち続けている。

最後に、中医学とは関係ないが、先日ネットで動画を観ていたら、とある中国人の動画で「レストランで南方の中国人は人差し指と中指でテーブルを2回叩いて『ありがとう』と表現することがある」と言っていた。私はそれを知らなかったので福建省出身のザ・南方中国人の夫に聞いてみると「え?それは『早く水を入れろ』っていう意味でしょ」と言っていた。一口に中国の南方と言っても、文化はさまざまなようだ。

■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。