アウェーでの第1戦では最前線の興梠も自陣に引き、徹底して守備を固めた。(C)Getty Images

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[ACL決勝 第1戦]アル・ヒラル 1-1 浦和/11月18日(日本時間19日)/リヤド(サウジアラビア)

 アウェーでの第1戦を1-1で終えた。この結果は浦和にとって、アジアチャンピオンへの前進だ。
 
 第1戦に臨むにあたり、浦和は覚悟を決めていた。守備に追われる時間が長くてもいい、と。興梠慎三は戦前、こう話していた。
 
「第1戦に関しては、チームとしても攻撃というよりは守備を重視している。中東という独特のアウェー感のなかで戦うのは大変だけど、みんなと守り方を確認した。それがACLのアウェーの戦い」
 
 興梠がチームメイトと確認したのは、最前線の自分が「センターバックにプレスに行かずに引く」ことだった。それは興梠の、浦和の理想とする戦いではない。しかし、それよりも結果にこだわった。
 
 試合は想定通りの展開になった。立ち上がりの7分にラファエル・シルバが貴重なアウェーゴールを奪うと、浦和は防戦一方の展開を強いられる。グループステージと準決勝で対戦したアジア屈指の攻撃力を持つ上海上港と比較してもまったく引けを取らない相手。むしろ、柏木陽介は「上海上港はフッキとかオスカールとか(外国籍選手)だけだったけど、アル・ヒラルは全員がうまい」とピッチで感じていた。
 
 37分に失点したが、興梠も「さらに失点しないことが一番だったし、俺らも点を取りにいくというよりは守りきろうという感じだった」と言ったように、チーム全体で高い守備意識を持ってピンチをしのぎ続けた。
 
 そのなかでも苦しさはあった。柏木は言う。
 
「守備陣が頑張っていた。ただ、後ろは『行くな』って言うけど、ウチらも前にいかないといけない時もあるし、逆にあれだけフリーにするとサイドチェンジを使われてしんどい」
 
 特に前半は浦和の右サイドから左サイドへのロングパスで裏を突かれ、ピンチを招く場面が続いた。失点シーンもサイドチェンジで崩されたものだ。アブドゥラ・オタイフが左から右サイドに長いボールを送り、宇賀神友弥に競り勝ったモハンメド・アルブライクがヘディングで折り返したボールをサレム・アルダウサリがつなぎ、最後はオマル・ハルビンに押し込まれた。
 そこで柏木が「ハーフタイムに歩きながら堀(孝史監督)さんと話をして」見出したのが「2トップっぽい守備のほうがハマるんじゃないか」ということだった。ラファエル・シルバが負傷退場して65分にズラタンを投入すると、堀監督は4-4-2へとシステムを変えた。その後も押し込まれる展開が続いたものの、前半のような展開は減り、追加点を許さなかった。
 
 第1戦は「結果的に最高」(柏木)、「一番良いと思う」(興梠)結果になった。第2戦も当然、いや第1戦以上に失点しない、つまりアウェーゴールを与えないことが重要になる。ただ、第1戦の戦い方はあくまでアウェー用であり、選手たちに同じような試合をするつもりはない。
 
 興梠は自身がセンターバックにプレッシャーを掛けない守り方について、「狙いどおり」と成果を感じつつも「ホームでこれをやっていたらダメ」と話した。柏木も「守備からやっていけた」ことに手応えを得ながらも「ホームではボールを保持する時間帯を増やさないといけない」とより攻撃に力を注ごうとしている。
 
 アウェーゴールを奪った浦和は、0-0でも優勝が決まる。ただ、準決勝の上海上港戦がそうだったように、引き分けを狙いにはいかない。優勝を決めるために勝つつもりで試合に臨む。選手たちはそれが最善の策だと信じている。