合言葉はスーパーハードワーク。難敵を相手に怯むことなく、力を出し切った。写真:川端暁彦

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 11月19日に長野Uスタジアムにて行なわれたJユースカップ決勝は、京都サンガU-18がガンバ大阪ユースに2-1で快勝。16年ぶりにこのタイトルを奪還してみせた。
 
 今季初頭の京都U-18は、正直に言ってそこまで強いチームには見えなかった。実際、高円宮杯プレミアリーグでここまで残してきた戦績も、突出したモノがあるわけではない。主将を努めるU-18日本代表GK、若原智哉(3年)の傑出した能力が目立つ試合も多く、裏を返せばそれだけピンチの多いチームでもあった。
 
 だが、Jユースの中でも指折りの技術力を持つG大阪を向こうに回した決勝戦は、守護神のビッグセーブに頼るようなシーンは皆無。セットプレーから1失点こそ喫したものの、最後まで全員で一致団結して守る「スーパーハードワーク」(MF上月壮一郎/2年)をベースにした守備を貫徹し、見事な逃げ切りで勝利を勝ち取った。
 
 イビチャ・オシム監督時代の千葉でGKコーチを務めていた岸本浩右監督を迎えた今季、京都の練習は「これまでとは比べものにならないくらいにしんどい」(DF俣野亜以己/3年)ものに一変したという。オシム氏も採り入れていた少人数でフルコートのミニゲームをこなすなど、とにかく徹底してハードワークを課した。

「もっと走れるだろ」「どうして身体を張らない」

指揮官の要求はシンプルで泥臭いものであり、どちらかと言うと“オシャレ路線”の印象もあった従来の京都U-18のベクトルとは一線を画すものだった。
 
 この新たな路線に入った中で、新たなステージを与えられたのも大きかった。決勝の対戦相手であるG大阪の實好礼忠監督が「京都さんはEASTで揉まれて揉まれて、本当にタフなチームになっている」と評していたように、高円宮杯プレミアリーグWESTからEASTへと転籍したことも大きな影響を及ぼした。

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 WESTより上下の力量差が小さなリーグだけに降格のリスクも感じながらというシビアさに加え、不慣れなエリアへの長距離遠征を経ながら、これまで肌を合わせたことのなかった相手とも実戦をこなす。ハードワークを重んじるチームが多いことも刺激になった。

 さらに「青森まで応援に来てくれる人たちがいるんですよ」と岸本監督が感慨深げに振り返ったように、その過程で“サンガファミリー”の絆も深まり、チームとしての基盤はより強固になった。
 
 当初は余りのしんどさが先行していた岸本監督のトレーニングも、夏を越えて「走れるようになったという実感があった」(MF橋本尽/3年)、「試合で走れる量が変わった」(俣野)と選手側の成長に対する実感が伴うようになると、自ずとピッチ上のチームパフォーマンスも変わっていく。

 その集大成となったのが、まさにこのJユースカップ。徹底してきたモノが花開き、大一番での結果に繋がったのだ。

取材・文 川端暁彦(フリーライター)