【ベジャール・セレブレーション】間もなく開幕、「プログラムの全体を大きなアンサンブルに」

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 モーリス・ベジャール・バレエ団(以下BBL)と東京バレエ団の特別合同ガラ【ベジャール・セレブレーション】のリハーサルおよびジル・ロマン芸術監督への囲み取材が、11月14日に行われた。

 今回、東京バレエ団がBBLとの合同で上演する【ベジャール・セレブレーション】は、ベジャール没後10年を前に、昨年末ローザンヌで初演されたベジャール作品の傑作集。当初はベジャールの10作品の抜粋から構成されていたが、今回はこれに東京バレエ団のダンサーたちによる新たな場面が加わることとなる。

 スタジオでは、BBLのダンサー、東京バレエ団のダンサーたちが、次々とベジャールの名場面を踊りつぎ、アンソロジーを紡ぐ。『アレポ』のしなやかなパ・ド・ドゥや、溌剌とした『バロッコ・ベルカント』のパ・ド・シス、そして、作品の後半、上野水香と柄本弾のカップルが踊るのは、『我々のファウスト』のパ・ド・ド・ゥ。次々と展開する独創的で多彩な踊りに目を奪われていると、時間はあっという間に過ぎていく。

 プログラムを構成する際の基準について、ジル・ロマンは「どんなダンサーがいるかということ、ですね。さらに、リズムや全体の多様性を考えて選ぶのです。『我々のファウスト』、『アレポ』、『バロッコ・ベルカント』…、これらは東京バレエ団ダンサーのことを考えて、今回新たに加えました。当初からプログラムに入っていた『ライト』からの抜粋、“レジデンツ”については、今回、日本のダンサーたちに踊ってもらうことにしました」とコメント。

 プログラムを見ると、冒頭にベートーヴェンの第一交響曲、最後に第九交響曲(第三楽章)と、ともにベートーヴェンの音楽に振付けた作品が配されている。「プログラムの全体を大きなアンサンブルとするものを作りたかったのです。いずれも、『1789…そして私たち』からの抜粋で、これはベジャールが、1989年のフランス革命の記念の年に創った作品ですが、第九の第三楽章はとくに、2つのカンパニーのたくさんの個性が一緒になって、お客さんと愛の交換をするための作品といえるでしょう」

 若いダンサーたちにベジャールのスタイルを伝えていくことは容易なことではない。「難しさを感じることはないけれど、教える以上に、あるいは同じくらい、自分が学んでいるのだと感じています。ベジャールは、振付家という枠組みを大きく超えた人物。深い教養があり、日本が大好きで、オペラや演劇、映画なども手がけた。観ていただければ、きっと何かを受け取っていただくことができるでしょう。モーリスのことは今でも近くにいるように感じていますが、今回の舞台もきっと天国から観にきてくれると思います」【ベジャール・セレブレーション】はベジャールの命日である11月22日と、23日に東京文化会館で上演される。