東京に続いて札幌も2度目の五輪開催を狙う。日本オリンピック委員会(JOC)は2026年冬季五輪招致の国内候補都市募集を締め切り、札幌市の応募があったことを発表した。来年3月までに正式に立候補するかどうかを決める。もし札幌市が招致に成功すれば1972年以来54年ぶり2度目の開催となる。

■スキージャンプやフィギュアスケートが印象的だった札幌五輪
 札幌五輪といえば、何をおいても“日の丸飛行隊”だ。70メートル級ジャンプで笠谷幸生、金野昭次、青地清二の3人が表彰台を独占した。冬季五輪史上、同一種目で日本人が3つのメダルを獲得したのは、後にも先にもこの時だけだ。

 女子フィギュアスケートで銅メダルを胸に飾ったジャネット・リン(米国)の可憐な演技も忘れられない。尻もちをついても愛くるしい美顔で世界を魅了した。選手村の壁への走り書きは「Peace&Love」だった。

 この大会の成功で札幌は国際都市の仲間入りを果たした。政令指定都市に移行したのも、この年である。

■東アジアの冬季五輪が3大会続くのは…
 さて2度目の招致は成功するのか。最大のネックは18年平昌(韓国)、22年北京(中国)と東アジアでの冬季五輪が続くことである。「さすがに(26年も含め)3大会連続の東アジア開催は難しい」(JOC元幹部)との見立てが支配的だ。

 開催都市は19年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まる。ラグビーW杯日本大会開幕前後だ。その10カ月後には東京に五輪がやってくる。「(国際大会は)日本に偏っている……とのイメージを与えないか」(同前) 不安は尽きない。

■東京同様、“一浪”は覚悟の上
 別の視点もある。今年9月の総会でIOCは24年パリ大会、28年ロサンゼルス大会と夏季五輪開催都市を同時決定した。巨額の費用負担を理由に有力都市の辞退が相次ぐ中での苦肉の策だった。「2026年はダメでも30年なら“当選”の可能性がある」(JOC関係者)

 東京同様、“一浪”は覚悟の上、ということか。いずれにしても山あり谷ありの招致レースとなりそうだ。

二宮清純(にのみや・せいじゅん)

スポーツジャーナリスト。(株)スポーツコミュニケーションズ代表取締役。1960年、愛媛県生まれ。スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリーのスポーツジャーナリストとして独立。オリンピック、サッカーW杯、メジャーリーグ、ボクシング世界戦など国内外で幅広い取材活動を展開中。「スポーツ名勝負物語」「勝者の思考法」「プロ野球“衝撃の昭和史”」「最強の広島カープ論」「広島カープ 最強のベストナイン」など著書多数。スポーツ情報サイト「SPORTS COMMUNICATIONS」:http://www.ninomiyasports.com/