ソニーの3板式カメラ「UHC-8300」

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 ソニーやシャープなどがフルハイビジョンの16倍の解像度を持つ「8K」映像の制作環境の構築に動き出した。各社は東京五輪の開催される2020年を焦点に、製品を拡充させる考え。各社の戦略加速で、8K映像が映し出される世界が、徐々に実現に向かいつつある。

 ソニーは15日、高解像度の「4K」・「8K」映像を制作する機器を拡充すると発表した。大規模なスポーツイベントや番組向けに、4Kライブ映像制作に対応したスイッチャーの最上位機種「XVS―9000」を2018年秋に発売する。システムの参考価格は6500万円(消費税抜き)。同社はイメージセンサー技術に強みを持つカメラを中心に関連機材を充実させ、4K・8K映像制作市場でシェア拡大を目指す。

 映像制作機器を販売するソニービジネスソリューション(東京都港区)の宮島和雄社長は同日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で会見し「4K放送に向けて製品群がそろってきた。顧客の要望に応え、ライブ映像制作に使える8Kカメラなどを投入する。さらにシェアを高めたい」と語った。

 ソニーは「2017国際放送機器展」で、8Kの3板式カメラ「UHC―8300」やシネマカメラの最上位機種「ベニス」などを紹介した。国内で高いシェアを生かし、いち早く製品に顧客の声を反映する。

 シャープは7日、フルハイビジョンの16倍の解像度を持つ「8K」対応の業務用カメラ「8C―B60A」を12月に発売すると発表した。1台で8K映像の撮影、記録、再生、ライン出力を行える。従来の業務用カメラと同様の使い勝手にした。8K映像制作の普及と、コンテンツの充実につなげる。価格は880万円(消費税抜き)。

 8K映像関連技術を手がけるアストロデザイン(東京都大田区)と共同で開発した。放送局や映像制作会社、大学などへの販売を想定する。1台で撮影から出力まで対応する業務用8Kカメラは、世界で初めてという。2018年前半には米国と台湾で、18年度中には中国で発売する予定だ。20年に放送用カメラ市場でシェア10%を目指す。

 シャープが業務用カメラを発売するのは約30年ぶり。同日会見した西山博一取締役執行役員は「新生シャープが8Kエコシステムの入り口となる領域で名乗りを上げた。8Kのさらなる充実につながる」と自信を見せた。