ロドリゲス監督は早めの時間帯に2枚のカードを切る。しかし、積極的な采配は実らなかった。(C)SOCCER DIGEST

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[J2リーグ42節]東京V2-1徳島/11月19日/味スタ
 
 東京V、徳島ともにJ1昇格プレーオフ進出を懸けて臨んだ味スタ決戦。ホームチームが終了間際の劇的弾で初のプレーオフ進出を決めた一方、敗れた徳島は千葉が勝利したことにより、プレーオフ圏外の7位でシーズンを終了した。
 
 徳島のリカルド・ロドリゲス監督は試合後の記者会見で、悔しさを抑えつつ、毅然とした態度で試合を振り返った。

「試合を支配して進められたし、相手よりもチャンスも作れた。ただ、同点に追いついた後に勝ち越せず、最後にゴールを決められた。こういった試合は今季に何回もあったが、サッカーというのは残酷で、試合を支配していても、そのチームが必ずしも勝つとは限らない」

 勝負事の恐ろしさを語ったスペイン人指揮官の采配は、いつもより積極的だった。38分(前川大河→山粼凌吾)と後半開始(キム・ジョンピル→井筒陸也)という早い時間帯に2枚のカードを切る。その背景にあったのは、戦術的な理由だった。

「できるだけ早く追いついて、逆転する必要があったために決断した。山粼は違和感を抱えてのプレーが続いていて、90分はもたなかった。もちろん、先発で起用しないリスクはあったが、プレーオフに進出した時の事も頭にあった」

  負けは許されない大一番であったことを踏まえると、怪我を抱える山粼を先発で強行出場させたくなるのが監督の心理だろう。しかし、現状を冷静に分析し、考え得る最善策を尽くした。結果は出なかったものの、その戦略的判断は理解できる。
 
 最終的にJ1昇格を逃したとはいえ、その手腕に疑いはない。今季はJ2で2番目となる71得点を叩き出し、この日も試合内容では東京Vを圧倒した。攻撃的なスタイルを植えつけた指導力は評価に値する。
 
 会見の最後には、「ここで終わりたくなかったが、この1年を振り返るとポジティブだった。攻撃的なスタイルへの変更を実現できた。クラブの全員を誇りに思うし、感謝したい」とシーズンを総括した。確かな手腕を誇る指揮官の下、来季こそ昇格をつかみ取りたい。
 
取材・文:梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)