終盤の劇的なゴールで東京VをJ1昇格プレーオフへ導いた内田達也【写真:Getty Images for DAZN】

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 明治安田生命J2リーグ最終節が19日に行われ、東京ヴェルディが2-1で徳島ヴォルティスに勝利し、J1昇格プレーオフへの切符を掴み取った。

 ともにプレーオフ進出圏内の6位と5位の直接対決となった大一番。順位が下だった東京Vにとっては、5位の徳島に勝てば文句なしで次の舞台へ、引き分け以下だと他会場の結果しだいという状況だった。

 前半の31分にセットプレーから平智広のゴールで先制した東京Vだったが、後半開始早々に渡大生に同点ゴールを奪われ徳島に追いつかれる。押し込まれる時間帯も長く、勝利が欲しい東京Vにとっては難しい展開になった。

 それでも耐えてチャンスをうかがい、再びセットプレーの流れからゴールネットを揺らす。88分、ゴール前の混戦でこぼれ球を押し込んだのはMF内田達也だった。最終盤に決めたこの1点が決勝ゴールとなり試合終了。その時点で東京VのJ1昇格プレーオフ進出が確定した。

 勝ち越しゴールを挙げた内田は「(セットプレーの場面では)シーズンを通して僕が上がろうとした時に監督から止められることが結構あった」と明かした。他会場の結果が全く耳に入っていなかったにもかかわらず、1点を争う終盤に守備的MFのポジションからゴール前に上がっていたのはなぜだろうか。

「『これ引き分けやったらヤバいんやろな』というのはあったので、勝手にじゃないですけど。ハシさん(橋本英郎)も入っていて、後ろでバランス取ってくれる選手もいたので」

 実際、他会場では7位の松本山雅FCは京都サンガF.C.に敗れたものの、勝ち点1ポイント差の8位ジェフユナイテッド市原・千葉が後半アディショナルタイムに逆転し、奇跡的なJ1昇格プレーオフ出場を勝ち取った。

 東京Vも勝っておかなければ、プレーオフ出場を逃す可能性が十分にあったのは間違いない。その悪い予感が頭によぎった内田のとっさの判断がチームを救った。本人は「ああいうの取るタイプじゃない(笑)」と謙遜するが、冷静なフィニッシュだった。

「(最初の味方のシュートが)一発ポストに当たったやつに反応できなくて、ちょっと悔やんでたんですよ(笑)。そうしたら、相手のクリアミスかな…同じ方向にヘディングで返ってきて、触れたらいいなくらいの感じでした」

 そうやってゴールシーンを振り返る内田の笑顔からは、安堵感がにじみ出ていた。

(取材・文:舩木渉)

text by 編集部